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腸閉塞犬症状の見極め方から応急処置まで

腸閉塞犬症状について

腸閉塞症状の基本知識
🚨

頻回の嘔吐

最も代表的な症状で、特に食後の嘔吐は要注意

📉

食欲不振と元気消失

通過障害により体調が急激に悪化する状態

⚠️

腹痛と腹部膨満

腸内容物の停滞による痛みと腹部の張り

腸閉塞犬の初期症状と進行度による変化

犬の腸閉塞における症状は、通過障害の程度によって大きく異なります。軽度の通過障害では、食欲不振、元気の低下、軽度の嘔吐、便秘や下痢などが見られますが、完全な閉塞状態や腸の損傷が進行している場合は、命に関わる危険な状態になります。

初期段階では、犬は元気で食欲があることが多く、飼い主が異常に気づきにくい特徴があります。しかし、時間の経過とともに症状が悪化し、頻回の嘔吐が最も代表的な症状として現れます。特に食後の嘔吐は要注意で、何度も繰り返す場合は腸閉塞を疑う必要があります。

腹痛の症状として、腹部を触られることを嫌がったり、腹部が硬くなったりする様子が観察されます。また、腸内容物の停滞により腹部膨満(腹部の張り)も見られるケースがあります。

腸閉塞犬における異物誤飲と機械的閉塞の関係

犬の腸閉塞の最も一般的な原因は異物誤飲による機械的閉塞です。機械的閉塞とは、腸管内が物理的に塞がれることで通過障害が起こる状態を指します。

代表的な誤飲物として、おもちゃや靴下、桃やプラムの種、とうもろこしの芯などがあげられます。特にとうもろこしの芯は、犬が消化できない上に腸管に詰まりやすいため危険性が高いとされています。

🔍 意外な誤飲物の特徴

  • 靴下:繊維状で腸に絡まりやすい
  • 桃の種:硬く尖った形状で腸壁を傷つける可能性
  • 小さなおもちゃの部品:レントゲンに写らない材質のものが多い
  • ペットシーツの一部:吸水性ポリマーが膨張する危険性

異物誤飲による症状の進行は比較的急激で、誤飲から12-48時間以内に明らかな症状が現れることが多いとされています。飼い主が誤飲の瞬間を目撃していなくても、急に嘔吐や食欲不振が始まった場合は異物誤飲を疑う必要があります。

腸閉塞犬の診断に使用される検査方法と画像診断

腸閉塞の確定診断には複数の検査方法が組み合わせて使用されます。まず基本的な触診により腹部の状態を確認し、異常な硬さや痛みの有無をチェックします。

画像診断の種類と特徴

  • X線検査:腸管内のガスの蓄積や異物の確認が可能
  • 超音波検査:腸の詳細な構造や動きを把握できる
  • X線造影検査:腸管の動きを詳細に観察するため造影剤を使用
  • CT検査:複雑な症例での詳細な診断に使用

血液検査では、炎症反応、電解質バランス、脱水状態などを確認します。特に完全閉塞や腸壁の損傷が疑われる場合は、敗血症の兆候を示すCRP(C反応性蛋白)の上昇や白血球数の変化が重要な指標となります。

診断が困難な場合は、試験開腹手術が選択されることもあります。これは確定的な診断が得られない状況でも、緊急性を考慮して行われる開腹手術です。

腸閉塞犬の治療法と外科手術の必要性

腸閉塞の治療は、その原因と重症度によって大きく異なります。機能的閉塞(腸の動きが悪くなることによる閉塞)の場合は、点滴療法や絶食などの内科的治療で改善する可能性があります。

外科手術が必要なケース

  • 異物による完全閉塞
  • 腸捻転や腸重積
  • 腫瘍による閉塞
  • 腸壁の壊死が疑われる場合

手術では、異物の除去、腸捻転の整復、壊死した腸管の切除と吻合などが行われます。腸管が壊死している場合は、その部分を切り取って健康な腸同士をつなぎ合わせる腸管吻合術が必要になります。

術後管理として、輸液療法による脱水の改善、電解質バランスの調整、抗生物質による感染予防が重要です。また、腸の動きが正常に回復するまで絶食期間を設け、その後段階的に食事を再開していきます。

腸閉塞犬の予防対策と愛犬の健康管理のポイント

腸閉塞の予防は、主に環境整備と日常的な健康管理に焦点を当てます。最も重要なのは、犬の手の届く場所に誤飲の可能性がある物を置かないことです。

効果的な予防策

  • 危険物の管理:小さなおもちゃや日用品の適切な保管
  • 散歩時の注意:拾い食い防止のためのリード管理
  • 定期健診:腫瘍による閉塞の早期発見
  • 食事環境の整備:落ち着いて食事できる環境づくり

🏠 家庭環境のチェックポイント

  • 床に落ちた小物(ボタン、輪ゴムなど)の除去
  • 子供用玩具の管理(小さな部品があるもの)
  • 生ゴミの適切な処理(骨や果物の種)
  • 洗濯物の管理(靴下や下着類)

また、普段から愛犬の排便習慣を観察し、便秘が続く場合は早めに獣医師に相談することが大切です。定期的な健康診断により、腫瘍などの潜在的な原因を早期に発見することも重要な予防策となります。

愛犬の異常行動や食欲の変化を敏感に察知できるよう、日常的なコミュニケーションを心がけ、「いつもと違う」という直感を大切にすることが、腸閉塞の早期発見につながります。

獣医師による腸閉塞の詳細な症状解説

https://www.anicli24.com/column/dog-ileus/

犬の腸閉塞に関する専門的な治療情報

https://www.fpc-pet.co.jp/dog/disease/84