イングリッシュシープドッグ特徴飼い方
イングリッシュシープドッグの体型と外見特徴
オールド・イングリッシュ・シープドッグは、その独特な体型が大きな特徴の一つです。体長と体高がほぼ同じスクエアな体型を持ちながら、肩より腰の方が高い足長のプロポーションが特徴的です。
体型の詳細。
- 体高:オス約61cm、メス約56cm
- 体重:大型犬として相応しい重量感
- シルエット:お尻の方が肩よりも張っているため洋梨型にも見える
- 歩行:「側対歩」という右手と右足を同時にあげる独特の歩き方
🎯 意外な特徴:実はふわふわした毛でわかりにくいですが、作業犬だったこともあり太い骨にしっかりとした筋肉が引き締まった体つきをしています。
頭部の特徴も印象的で、大きく四角い頭にストップがあり、目の色は濃いものが好ましいとされています。耳は頭に沿って垂れており、吠え声は太く響くような独特の声を発します。歴史的に断尾されてきた犬種ですが、近年は動物愛護意識の高まりから家庭犬として断尾されないことも増えています。
イングリッシュシープドッグの被毛特徴と手入れ
オールド・イングリッシュ・シープドッグの被毛は、この犬種の最も象徴的な特徴です。ダブルコートと呼ばれる被毛は、硬めのオーバーコートと防水性に優れたアンダーコートの二層構造になっています。
被毛の特性。
- オーバーコート:粗くて長い毛質
- アンダーコート:密生しており防水性抜群
- 毛量:大変多く、大型犬のため抜け毛も多量
- 色合い:グレーとホワイトの組み合わせが一般的
日常のお手入れ方法 🧴
ブラッシングは毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。スリッカーブラシで余分なアンダーコートを取り除いた後、コームで仕上げることが重要です。
毛玉予防のコツ。
- 毎日の丁寧なブラッシング
- 定期的なシャンプー(1〜2ヶ月に1回)
- 顔にかかる毛はリボンやゴムで留める
- 夏場は涼しい場所での飼育が必須
⚠️ 特別な注意点:「目が毛でおおわれているのでかわいそう」と高齢になってから被毛を短くカットすると、目が急に紫外線にさらされることによるトラブルが起こる可能性があります。幼いうちから前髪をカットする、まとめるなどして慣らしておくことが大切です。
イングリッシュシープドッグの性格特徴としつけ
オールド・イングリッシュ・シープドッグは「ナニードッグ(子守犬)」と呼ばれるほど穏やかで落ち着いた性格を持っています。飼い主に対しては忠実で友好的な性格を示しますが、牧羊犬の名残から防衛本能がやや強く出る個体もいます。
基本的な性格。
- 穏やかで落ち着いている
- 人懐っこく攻撃性は少ない
- 飼い主に忠実
- 知的で友好的
- やや頑固な面も持つ
しつけのポイント 🎾
大型犬であるため、力の制御は特に重要です。トレーニング不足では飼いにくくなることがありますから、子犬のうちからきちんとしつけを行う必要があります。
効果的なしつけ方法。
- 早期からのスタート(子犬期が最重要)
- 一貫したトレーニングの実施
- 社会化の徹底
- 甘噛みや飛びつき防止の徹底
⚠️ 警戒すべき点:被毛により表情が読み取りにくく、警戒している表情に気付きにくい場合があります。また、体が大きいため甘噛みや飛びつきが人や犬にとって大きなけがにつながる可能性があります。
専門家からのアドバイス:「攻撃などにつなげて大きなトラブルにならないために、制御できるようにしつけることが大切です」。
イングリッシュシープドッグの運動要求と飼育環境
オールド・イングリッシュ・シープドッグは穏やかな性格でありながら、作業犬として体を動かしていた歴史があるため、十分な運動量が必要です。
必要な運動量。
- 1日2回以上、計1〜2時間以上の散歩
- 速足での散歩やドッグランでの自由運動
- ボール遊びやひっぱりっこなどの遊び
- 広い場所での思い切り走る時間
飼育環境の条件 🏠
この犬種を飼うには特別な環境整備が必要です。
必須条件。
- 広い飼育スペースの確保
- エアコンなどで温度管理ができる環境
- 滑りにくい床材(関節保護のため)
- 物を置かない広い飼育空間
特別な配慮事項。
豊富でかたい被毛なので暑さに非常に弱く、エアコンなどで温度管理ができる環境が飼う絶対条件となります。また、体が大きく豊富な被毛によって視界が狭まっており、物にぶつかってしまうこともあるため、できるだけ物を置かない広い飼育環境を整えてあげることが重要です。
🎯 飼育経験者向けの理由:力が強い犬のコントロールやトレーニングも一貫して行うなどの面を考慮すると、飼育経験豊富な人向けといえるでしょう。
イングリッシュシープドッグの健康管理と独自のケア方法
オールド・イングリッシュ・シープドッグの健康管理には、犬種特有の注意点がいくつかあります。大型犬特有の疾患リスクと、豊富な被毛による皮膚トラブルが主な懸念事項です。
主要な健康リスク。
関節ケアの重要性 🦴
先天的な股関節形成不全などが起こりやすいため、歩き方や座り方の変化に注意が必要です。日常生活では以下の対策を:
予防対策。
- 適切な体重管理
- 滑りにくい床材の使用
- 激しい運動の制限(若犬期以外)
- 定期的な獣医師による検診
独自の皮膚ケア方法 🧼
豊富な被毛を持つ活動的な犬種であるため、毛玉やもつれができやすく皮膚トラブルにつながりやすい傾向があります。
特別なケア方法。
- 毎日の皮膚チェック習慣
- もつれ防止のためのこまめなブラッシング
- 通気性を考慮した被毛管理
- 早期発見・早期治療の意識
🎯 プロからの独自アドバイス:被毛ケアが少し大変だと感じたら、ファーミネーターの使用を検討するのもおすすめです。ただし、刃が背骨に当たると痛いため、ゆっくり優しく行うことが重要です。
価格と入手について。
珍しい犬種であることや大型犬であることから価格は50万円から70万円くらいと高めです。ペットショップで出会える可能性は低く、繁殖を行っているブリーダーも限られるため、事前の情報収集が重要です。
日本獣医師会における犬の登録統計。
https://www.jkc.or.jp/breeds/old-english-sheepdog/
JKCによる公式犬種スタンダード情報が詳細に記載されています。
専門的な飼育指導について。
https://withpety.com/dictionary/breed/116.html
獣医師監修による詳細な飼育チャートと専門的なアドバイスが掲載されています。