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ニキビダニと犬の症状や治療法

ニキビダニと犬の健康管理

ニキビダニ症の基本知識
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ニキビダニとは

毛穴に常在する微細な寄生虫で、健康な犬にも存在しています

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発症のメカニズム

免疫力低下により異常増殖し、皮膚炎を引き起こします

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治療の重要性

早期発見・適切な治療により良好な予後が期待できます

ニキビダニ症の基本的な症状と診断

ニキビダニ症は、犬の皮膚に常在するデモデックス属のダニが異常増殖して起こる皮膚疾患です。健康な犬でも毛穴にニキビダニは存在していますが、通常は何も問題を起こしません。しかし、何らかの原因で免疫力が低下すると、ニキビダニが大量に増殖し、炎症や脱毛などの症状を引き起こします。
症状の特徴として、発症初期は目の周りや顔の一部など特定の部分に比較的狭い範囲での脱毛が見られます。皮膚の炎症により赤みや発疹も現れ、フケが過剰に増加することも多くあります。若齢犬では生後18ヶ月未満での発症が多く、四肢や背中に小さな脱毛や落屑(フケ)、発疹が出る局所的な症状がほとんどです。

参考)ニキビダニ(毛包虫)症 – あいむ動物病院 西船橋

診断は毛を抜く検査や皮膚の表面を削り取ったものを顕微鏡で確認する検査により行われます。ニキビダニは顕微鏡を使わないと見えない微細な寄生虫であるため、必要に応じて皮膚病理検査なども実施されます。

ニキビダニが犬に与える影響と重症化

成犬になってからの発症は症状が重篤化しやすく、全身に波及した皮膚病が重症化することも少なくありません。四肢や体幹部に発疹が多発し、強い毛包炎から血液の混じった「牡蠣の殻のようなカサブタ」を生じ、痒みや痛みを伴うことがあります。

皮膚の深部に強い炎症と細菌感染が起こる「せつ腫」という状態を起こすこともあり、この場合は強い痛みを伴います。ニキビダニ症で弱った皮膚に菌が感染すると、激しいかゆみや痛みが生じ、かきむしった後が化膿することで他の病気を誘発する可能性もあります。
局所性と全身性の2つのタイプがあり、局所性では限定的な範囲で症状が現れるのに対し、全身性では広範囲に症状が現れることが特徴です。全身性犬ニキビダニ症の場合、潜在的な免疫抑制疾患や基礎疾患が存在することがあります。

参考)犬ニキビダニ症

犬のニキビダニ症に対する最新治療法

現在の治療では、イソオキサゾリン系と呼ばれるノミマダニ駆虫薬がニキビダニに対して非常に高い駆虫効果を示すことが証明されており、多くの症例でこの薬剤が使用されています。従来はイベルメクチンやミルベマイシンといったフィラリア予防薬を大量投与する治療が主流でしたが、現在では3ヶ月に1回の内服でも効果的な治療が可能になりました。

参考)犬ニキビダニ症(アカラス、犬毛包虫症)の新治療法 – 狭山動…

薬物療法では、ブラベクトやネクスガードなどの内服薬が広く使用されており、これらの薬剤は3ヶ月間効果が持続するため、治療の利便性が大幅に向上しています。従来の注射による治療では、コリー系統(コリー、シェルティー、ボーダーコリー等)の犬種に重大な副作用が懸念されていましたが、現在の経口薬では安全性が高くなっています。

参考)犬のニキビダニ症(アカラス) – 立川市,昭島市,日野市,国…

シャンプー療法も重要な治療法の一つで、毛穴の洗浄力が高いシャンプーを使用して皮膚を清潔にし、ニキビダニが好む養分を減らしていきます。過酸化ベンゾイルシャンプーを24時間ごとに使用することで、毛包内の洗浄効果を高めることができます。治療期間は一般的に数か月程度とされており、子犬であれば皮膚機能が発達するにつれ自然に治ることもあります。

参考)病気のおはなし|りか動物病院|稲城市矢野口

犬種別ニキビダニ症の発症リスク

ニキビダニ症は皮膚の免疫機能に依存するため、特に発症しやすい犬種として、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ボストン・テリア、イングリッシュ・ブルドッグ、シー・ズー、ウェルシュ・コーギーマルチーズ、チワワが挙げられます。

参考)ニキビダニ症

イングリッシュ・ブルドッグやフレンチ・ブルドッグ、パグなどの短頭短毛種は全身性のニキビダニ症になりやすいとされています。これらの犬種では遺伝的素因が関与していると考えられ、特に若齢期での発症リスクが高くなっています。

参考)【皮膚】犬と猫の毛包虫症(ニキビダニ症)

シャーペイやフレンチブルドッグなどでは、遺伝的な免疫機能の問題により全身性のニキビダニ症を発症しやすい傾向があります。成犬では内分泌疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症など)が関与することが多く、基礎疾患の有無を慎重に検査する必要があります。

犬のニキビダニ症予防と再発防止対策

ニキビダニ症の予防には犬の免疫力を高く保つことが最も重要です。バランスの取れた食事、定期的な運動、適切な休息によって愛犬の免疫系を強化することが、発症リスクを抑えるために効果的です。栄養失調が原因の場合は栄養バランスの取れた良質な食事を与えることで免疫力や皮膚の健康を改善する必要があります。

参考)犬のニキビダニ症(毛包虫症)を解説!症状・原因・治療・予防を…

犬の生活環境を清潔に保ち、ストレスの少ない環境を整えることが発症予防につながります。定期的なブラッシングやシャンプーを行い、皮膚と被毛を清潔に保つことで、ニキビダニの養分となる皮脂やフケを減らすことができます。特に抗寄生虫薬を含むシャンプーを使用することで、毛包虫の増殖を抑制する効果が期待できます。

参考)犬の毛包虫症(ニキビダニ症)について

再発予防においては、ストレス管理、栄養管理、寄生虫予防などで免疫力を維持することが重要なカギとなります。ニキビダニ症は再発する可能性が非常に高い病気であり、効果的に治療ができても治療を終えると再発してしまうことがあります。治療の効果が現れたからといって治療を休止してしまうと、再発してしまうことも少なくありません。

参考)【ニキビダニ症】犬のニキビダニ症とは?症状や治療法を解説 |…

基礎疾患が完治しておらず、免疫力が低下したままである場合は再発を繰り返す可能性があるため、根本的な原因の治療も並行して行う必要があります。少しでも再発が疑わしい症状があれば、早めの段階で病院を受診して、再度皮膚検査を受けることが推奨されます。

参考)【獣医師監修】犬のニキビダニ症という皮膚病は人にうつる?原因…