PR

血統書と犬の見方から取得まで徹底解説

血統書と犬の基本知識

血統書の基本情報
📋

血統書の役割

純血種の犬の出生証明書として、3代前までの血統情報を記録

🏛️

発行団体

JKC(ジャパンケネルクラブ)をはじめとする公認団体が発行

🔍

個体識別方法

登録番号、DNA登録、マイクロチップなどで厳格に管理


血統書は人間でいう戸籍謄本のような役割を果たす重要な証明書です 。純血種の犬の出生を公的に証明する書類として、JKCなどの国内血統書発行団体から発行されます 。血統書には子犬の品種名、名前、性別、生年月日などの基本情報のほか、両親とその祖先が記載され、血統の中に過去の受賞歴も反映されています 。

参考)血統書ってないとダメなの?|ブリーダーナビ

血統書の発行には両親が血統登録されていることが条件となり、多少の費用がかかります 。両親ともに純血種であっても、種類が異なれば血統書は発行されないため、純血種である証として重要な意味を持ちます 。国内の主要な血統書発行団体としては、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)、NPO法人日本社会福祉愛犬協会(KCJ)、社団法人日本警察犬協会(PD)、公益社団法人日本犬保存会があります 。
最新の血統書には従来の情報に加えて、DNA登録番号やマイクロチップIDといった科学的な個体識別情報が記載されるようになりました 。これらの技術により、犬の個体識別がより確実になり、血統管理の精度が向上しています 。

参考)犬の血統書とは?証明書の見方・犬種記号の一覧・発行団体につい…

血統書犬の登録番号と識別システム

犬の登録番号は犬種記号(アルファベット)+ 5ケタの英数字 + 年号(下2ケタ)で構成されています 。例えば、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの場合、2004年の88877番目に登録受付けされた犬として「WC88877-04」のような形式になります 。登録番号の前には犬種別表示が記載され、犬種を区別するアルファベットが使用されます 。

参考)血統書・生命保証・ワクチン接種について – トラスティおかや…

犬種記号は各犬種に固有のものが割り振られており、柴犬は「JS」、チワワは「CI」、トイ・プードルは「PT」といった具合に設定されています 。この登録番号により、JKCの犬籍原簿での管理が行われ、警察や愛護センターからの迷い犬照会にも対応できる体制が整っています 。

参考)【血統書の見方】犬の血統書の見方をわかりやすく解説!|ワンコ…

マイクロチップによる識別も現在では重要な要素となっています 。マイクロチップは犬の首に埋め込まれ、一匹一匹異なる番号が割り振られているため、確実な個体識別が可能です 。2022年6月からは動物愛護管理法に基づいて犬へのマイクロチップの装着と登録が義務化されました 。

参考)マイクロチップ記載登録申請

血統書犬の DNA 登録と親子鑑定

DNA登録は血統書の信頼性を科学的に証明する重要なシステムです 。犬のDNA鑑定によって血統書に記載してある親犬と子犬の親子関係を確認でき、同じ血統であれば犬種が血統書通りだとはっきりとわかります 。このDNA鑑定は専用のブラシで頬の内側から採取されたDNAデータを用いて行われます 。

参考)犬の血統確認ができるDNA鑑定。血統を調べるメリットとは?

血統書の発行はブリーダーの申請によって行われるため、本当にその血統書に記載された親犬から生まれた子なのかは、従来はブリーダーを信用するしかありませんでした 。しかし、DNA鑑定技術の導入により、科学的根拠に基づいた血統証明が可能になっています 。
犬種ごとに性格や特徴、病気のなりやすさが異なるため、正確な犬種確認は飼育上重要な意味を持ちます 。噛み癖や吠え癖がつきやすい犬種、運動量が多い犬種、特定の遺伝性疾患にかかりやすい犬種などの情報は、適切な飼育やしつけ、予防医療に活用できます 。

チャンピオン犬と種犬認定の表示

血統書には犬の賞歴や認定情報も記載されます 。チャンピオン犬になった場合は、内容が略号で記載され、犬名にCHと書かれている場合は、その犬がドッグショーでチャンピオンになったという意味です 。JKCチャンピオン登録犬はCH、アメリカはAM、イギリスはENGという表記になります 。

参考)犬の血統書とは?証明書の見方や発行団体について紹介

種犬認定は、その犬種の理想像である犬種標準(スタンダード)に照らし合わせ、優秀な資質を後世に伝えるにふさわしいと判断された犬に与えられる資格です 。記載されているそれぞれの犬名の頭に*のマークがついていれば、その犬が種犬認定されていることを示します 。

参考)https://www.tokyotoka-bordercollie.com/pedigree.html

チャンピオン犬になるには、JKCが発行する「CC」と「MCC」というカードを合計4枚以上(4枚のうち、1枚はMCCカード)をドッグショーで獲得する必要があります 。CCカードは規模が小さな大会、MCCカードは規模が大きな大会で優秀な成績を収めた犬に贈られ、複数枚必要なCCカードは、2名以上の異なる審査員から発行してもらう必要があります 。

参考)チャンピオン犬ってどうやって決まるの?必要な条件や費用などを…

血統書犬の遺伝疾患と健康管理

血統書には犬の健康に関する重要な情報も記載されています 。所有者の任意として、股関節・肘関節の遺伝的疾患のかかりやすさを評価した結果が示される場合があります 。この評価結果を繁殖の指針とし、遺伝性疾患を減少させることが重要視されているためです 。
JKCでは遺伝子疾患の減少を目指し、股関節評価や肘関節評価といった項目を任意で記載しています 。これらの評価は犬種ごとに発症しやすい遺伝性疾患の予防と管理に役立てられています 。特定の犬種には遺伝的な病気が多いことがあるため、親犬の健康状態も重要な情報として血統書に反映されます 。

参考)遺伝子疾患について考えよう

約800万頭の血統書データベースから親戚を探せるサービス「PEDI」のようなシステムも登場しており、愛犬と血縁関係にある犬の通院情報や遺伝性疾患などを共有できるようになっています 。これにより、遺伝病を患ったペットの情報をブリーダーや他の飼い主にフィードバックし、遺伝病を減らすことに直接結びつけようとする取り組みが進んでいます 。

参考)約800万頭の血統書データベースから親戚を探せる 愛犬専用サ…

血統書犬の取得手続きと管理体制

血統書の発行手続きは、まず繁殖者(母犬の所有者)が所属クラブを通じてJKC本会に申請し、JKCでは申請内容を厳重に審査したうえで、犬籍原簿に登録し、血統証明書を発行します 。この手続きは人間の「出生届」にあたり、犬籍原簿は永久に管理されます 。

参考)血統証明書について

申請は平均的に子犬が生後2~3ヶ月程度の時期に行われ、申請後発行されるまでに通常2~3ヶ月かかります 。血統書の申請料は生後90日以内で2,200円、生後91日以上で5,600円となっており、母犬だけでなく交配証明書や父犬のDNA登録(7,500円)、犬舎名登録(6,600円)なども必要です 。

参考)犬の血統書は必要か?記載事項や作成の手続き、注意点についても…

JKCをはじめとする世界のケネルクラブでは、純粹犬種の血統を管理し、より犬質の高い犬を繁殖するために必要な祖先犬の情報を「血統証明書」という形で提供しています 。血統書の登録申請は、クラブ会員である繁殖者とJKCとの信頼関係に基づいて行われており、厳格な管理体制が維持されています 。