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アムロジピンと犬の適切な使用と注意点

アムロジピンと犬の治療について

犬におけるアムロジピンの基本情報
💊

カルシウム拮抗薬

血管を拡張し血圧を効果的に下げる作用

🩺

心臓病治療

僧帽弁閉鎖不全症などの心疾患に対応

🔍

腎臓保護効果

慢性腎臓病の進行抑制にも効果的

アムロジピンの基本作用機序と犬への効果

アムロジピンは、カルシウムチャネル拮抗薬と呼ばれる降圧剤で、血管の平滑筋細胞膜に存在する膜電位依存性カルシウムチャンネルに特異的に結合し、カルシウムの流入を阻害します 。この作用により血管が弛緩し拡張することで、心臓から全身への血液供給が改善され、血圧の低下が実現されます。

参考)アムロジピン5mg(ノルバスクジェネリック)|高血圧|犬猫薬…

犬における血圧の正常値は、最高血圧が100〜150mmHg、最低血圧が60〜100mmHgとされており、最高血圧が150mmHg以上で高血圧と診断されます 。アムロジピンの投与により、高血圧状態にある犬の血圧を適切な範囲まで下げることができ、心臓や腎臓への負担を大幅に軽減します。

参考)犬の高血圧に注意!症状や予防法を解説

実際の臨床現場では、アムロジピンは単独使用よりもACE阻害薬やβ遮断薬などの他の心血管系薬剤との併用が一般的です 。この組み合わせにより、より効果的で安全な血圧管理が可能となっています。

アムロジピンの犬における適応疾患

アムロジピンは主に犬の心臓疾患、特に僧帽弁閉鎖不全症の治療において重要な役割を果たします 。僧帽弁閉鎖不全症は犬の心疾患の中で最も頻度が高く、進行すると肺水腫や心不全を引き起こす可能性があります。

参考)犬の心臓病 | 僧帽弁閉鎖不全症とは? 〜検査・診断・治療に…

心臓病の治療において、アムロジピンは血管拡張により心臓の後負荷を軽減し、心筋への酸素供給を改善します 。これにより心臓のポンプ機能をサポートし、病気の進行を遅らせる効果が期待できます。また、うっ血性心不全の犬においても、血管拡張作用により症状の改善が見込まれます 。

参考)心臓病・ステージごとの治療方法|愛犬の「体に優しい」心臓病ケ…

さらに、慢性腎臓病を患う犬においても、アムロジピンは腎血流の改善により腎保護効果を発揮します 。腎高血圧の予防と蛋白尿の減少効果も報告されており、腎機能の保持に貢献します。

参考)アムロジピン通販│心臓病│わんにゃん薬局

アムロジピンの犬における投与量と使用方法

犬におけるアムロジピンの標準的な投与量は、体重1kg当たり0.0625〜0.3mgを1日1〜2回の経口投与が推奨されています 。ただし、病態や個体差により獣医師が適切な用量を調整することが必要です。
臨床研究では、実験的に作成された僧帽弁閉鎖不全症の犬において、アムロジピン0.2mg/kg BIDの投与が血圧に対して有効な効果を示すことが報告されています 。また、血圧が高めの犬には、ベナゼプリルとアムロジピンの併用療法が効果的とされています 。

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/33/2/33_29/_pdf/-char/ja

投与の際は、錠剤をそのまま与えるか、必要に応じてピルカッターで分割し、トリーツに包んで与える方法が一般的です 。確実な服薬のため、投与後は愛犬の様子を観察し、薬が確実に飲み込まれたことを確認することが重要です。

アムロジピンの副作用と犬における安全性

アムロジピンは比較的安全性の高い薬剤とされていますが、副作用が全くないわけではありません 。犬における主な副作用として、元気消失、食欲不振、体重減少、軽度の心拍数増加などが報告されています 。

参考)アムロジピン – つなしま動物病院

特に注意すべき副作用として低血圧があり、これによりふらつきや失神が見られることがあります 。血圧の低下により脳血流が不足すると、意識障害を起こす可能性もあるため、投薬開始初期は特に注意深い観察が必要です。

参考)犬の心臓病 MR 僧帽弁閉鎖不全症 href=”https://sadahiro-ah.com/%E7%8A%AC%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97%E3%80%80%E9%AB%98%E9%BD%A2%E7%8A%AC%E3%81%AE%E5%92%B3/” target=”_blank”>https://sadahiro-ah.com/%E7%8A%AC%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97%E3%80%80%E9%AB%98%E9%BD%A2%E7%8A%AC%E3%81%AE%E5%92%B3/amp;#8211; さだひろ…

まれな副作用として、歯肉の腫れや歯肉過形成が報告されていますが、犬ではヒトに比べてこの副作用の発現頻度は低いとされています 。また、傷の凝固時間が延長することもあるため、手術や外傷時には獣医師に投薬中であることを必ず伝える必要があります 。

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/javnu/12/1/12_50/_pdf/-char/ja

アムロジピン投与時の犬の管理と注意点

アムロジピンの投与を開始する前には、必ず血液検査や心電図検査などの総合的な検査が必要です 。これらの検査により高血圧の原因となる基礎疾患の特定と、薬剤使用の適応を判断します。
投薬中は定期的な血圧測定と血液検査による肝機能・腎機能のモニタリングが欠かせません。特に肝酵素の上昇については、稀ながらアムロジピンとの関連が指摘されているケースもあります 。定期検診により早期に異常を発見し、必要に応じて治療方針を調整することが重要です。

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvcm/2/1/2_13/_pdf/-char/en

脱水状態の犬では低血圧のリスクが高まるため、投薬開始前後は十分な水分摂取を確保する必要があります 。また、妊娠中・授乳中の犬への投与は禁忌とされているため、繁殖を予定している犬では特に注意が必要です 。

参考)犬の「慢性腎臓病」の薬~動物病院で処方されたお薬ガイド④~

アムロジピンは作用発現が緩やかで、効果が現れるまでに数時間から数日を要することがあります 。そのため、即効性を期待せず、長期的な視点で治療効果を評価することが大切です。また、薬の効果は24時間持続するため、1日1回の投与でも十分な降圧効果が期待できます。