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病原体と犬の健康への影響について

病原体と犬の健康管理

犬の病原体による健康リスク
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ウイルス性感染症

パルボウイルス、ジステンパー、アデノウイルスなど致命的な病気を引き起こす

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細菌性感染症

レプトスピラ、パスツレラなど人間にも感染する人畜共通感染症を含む

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寄生虫感染

フィラリア、回虫、ノミ・ダニなど内部・外部寄生虫による健康被害


犬の健康を脅かす病原体は、ウイルス、細菌、寄生虫の3つに大きく分類されます 。これらの病原体は愛犬に深刻な健康被害をもたらし、場合によっては生命に関わる危険性もあります 。現在確認されているだけでも、人と動物の共通感染症は世界で150種類以上に及び、その原因となる病原体には様々なものが存在します 。

参考)獣医師が解説【犬のウイルス性感染症】 パルボウイルスの代表的…

病原体によるウイルス性感染症の特徴

犬に感染する主要なウイルス性病原体には、パルボウイルス、ジステンパーウイルス、アデノウイルスなどがあります 。パルボウイルス感染症は特に危険で、感染力が非常に強く、家に来たばかりの子犬で混合ワクチンが未接種の場合、下痢や嘔吐などの症状が現れます 。犬ジステンパーは、発熱、鼻汁、咳などの呼吸器症状から始まり、進行すると神経症状を引き起こす致命的な疾患です 。

参考)【犬編】第2回:怖い・犬の感染症(1)|感染症

犬アデノウイルス2型感染症は、発熱、食欲不振、くしゃみ、鼻水、短く乾いた咳などの呼吸器症状を引き起こします 。他のウイルスや細菌との混合感染により重症化することが多く、単独感染では軽症であっても、複数の病原体が同時に感染すると生命に危険が及ぶ可能性があります 。これらのウイルス性疾患は、適切なワクチン接種により効果的に予防できます 。

参考)【犬編】第3回:怖い・犬の感染症(2)|感染症

病原体による細菌感染症の危険性

レプトスピラ感染症は最も注意すべき細菌性病原体の一つで、人と動物の共通感染症として知られています 。レプトスピラ菌に汚染された土壌や水を介して感染し、カニコーラ型では40度前後の高熱、食欲不振、嘔吐、下痢が見られ、末期には尿毒症を起こします 。黄疸出血型では発熱、黄疸、歯肉からの出血など、より重篤な症状を示し、発病後数時間から数日で死亡するケースも報告されています 。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10658540/

パスツレラ症は、犬や猫の口の中に常在している細菌が原因となる感染症で、引っかかれたり噛まれたりすることで人間にも感染します 。その他にも、カンピロバクター感染症、サルモネラ症、大腸菌症など、多様な細菌性病原体が犬の健康を脅かします 。これらの細菌感染症は抗生物質による治療が可能ですが、早期発見と適切な治療が重要です 。

参考)ペットから感染する病気(動物由来感染症) – 宮城県公式ウェ…

病原体である寄生虫の健康への影響

犬の寄生虫は外部寄生虫と内部寄生虫に分けられ、それぞれが異なる健康被害をもたらします 。フィラリア(犬糸状虫)は、蚊を媒介として犬の心臓と肺動脈に寄生する最も危険な内部寄生虫の一つです 。進行すると心臓病、肝臓病、腎臓病などの様々な病気を引き起こし、放置すれば死に至る恐ろしい病気です 。

参考)【獣医監修】犬の寄生虫の種類や症状とは?原因や予防法について…

回虫は4~18cm程度の長さの消化管内寄生虫で、主に口から入り込み腸に寄生します 。子犬に大量寄生した場合は軟便、下痢、嘔吐などの消化器症状のほか、栄養失調、体重低下、貧血などの深刻な症状を起こします 。ノミやダニなどの外部寄生虫は、皮膚炎を引き起こすだけでなく、様々な病原体を媒介する役割も担っています 。

参考)ペットから人に感染する病気に気をつけましょう – 松本市ホー…

病原体感染症の早期発見と症状識別

病原体による感染症の早期発見には、飼い主による日常的な健康観察が不可欠です 。特に家に来たばかりの子犬で、食欲低下、下痢、嘔吐などの症状が見られた場合は、早めの受診が推奨されます 。レプトスピラ感染症では、発熱、出血、黄疸、腎不全や乏尿などの特徴的な症状が現れます 。

参考)獣医師が解説【犬の寄生虫感染症】 回虫症の代表的な症状、原因…

ウイルス性感染症では、発熱、鼻汁、咳などの呼吸器症状から始まることが多く、進行すると神経症状や消化器症状も現れます 。寄生虫感染では、糞便中に虫体や卵が混ざって出てくることがあり、こまめな観察により早期発見が可能です 。しかし、多くの感染症では初期症状が軽微であったり、無症状のことも多いため、定期的な健康診断と検査が重要です 。

病原体に対する効果的な予防対策

病原体感染症の予防には、ワクチン接種が最も効果的な手段です 。狂犬病ワクチンは法律で義務付けられており、その他の混合ワクチンも生活環境に応じて5種~10種から選択します 。子犬は生後6~16週に3回接種し、成犬は1~3年ごとの接種が推奨されています 。

参考)犬・猫の感染病とその予防

フィラリア予防では、蚊のいるシーズン中の定期的な予防薬投与が必要で、錠剤、チュアブルタイプ、液状内服薬、スポットタイプなど様々な剤形が用意されています 。ノミ・ダニ対策では、市販薬や動物病院で処方される予防薬を使用し、特に春から秋にかけて注意が必要です 。

参考)【ブログ】犬と人間の共通感染症5選!安心していっしょに暮らす…

日常的な予防対策として、動物に触れた後の手洗い、過剰なふれあいの回避、ペットの身の回りの清潔保持が重要です 。また、定期的な健康診断と適切な栄養管理、ストレスフリーな生活環境の提供も、病原体感染症の予防に大きく貢献します 。

参考)https://fukuokahigashi-ah.com/column/3430

栃木県獣医師会による犬・猫の感染症とその予防に関する詳細な解説
厚生労働省の動物由来感染症に関する公式情報
宮城県保健環境センターによるペットから感染する病気の詳細資料