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ダックスのかかりやすい病気と寿命を知って愛犬の健康を守ろう

ダックスのかかりやすい病気と寿命

ダックスフンドの健康管理のポイント
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平均寿命13~16歳

比較的長生きな犬種ですが、体型による特有の病気に注意が必要

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椎間板ヘルニアが最多

胴長短足の体型により背骨に負担がかかりやすい

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垂れ耳による外耳炎

通気性が悪く湿気がこもりやすいため定期的なケアが重要

ダックスの平均寿命と長生きの秘訣

ダックスフンドの平均寿命は13~16歳とされており、小型犬の中でも比較的長生きできる犬種です。近年では20歳を迎えるダックスも珍しくなく、適切な健康管理により平均寿命を上回る長寿を実現できる可能性があります。

長生きの秘訣として最も重要なのは体重管理です。ダックスフンドは狩猟犬として開発された犬種のため、好奇心旺盛で運動量が多く、カロリー要求量も高い特徴があります。しかし、現代の屋内飼いでは運動量が不足しがちで、肥満傾向のダックスが増加しています。

肥満は様々な病気の原因となり、特にダックスの場合は腰に負担がかかりやすい体型のため、椎間板ヘルニアの発症リスクを大幅に高めてしまいます。適正体重の維持には、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを考えた食事管理と、筋肉を保つためのタンパク質をしっかり摂取できる食事内容が重要です。

また、定期的な健康診断も長寿の鍵となります。年に1~2回の健康診断により、病気の早期発見・早期治療が可能になり、愛犬の健康寿命を延ばすことができます。

ダックスの椎間板ヘルニア症状と治療法

椎間板ヘルニアは、ダックスフンドが最もかかりやすい病気として知られています。背骨同士をつなぐクッションの役割をしている椎間板が正常の位置から飛び出し、脊髄を圧迫することで様々な神経症状を引き起こします。

初期症状として以下のような変化が見られます。

  • 抱っこした時にキャンと痛がる
  • 腰を丸めて歩く
  • ふらついてうまく歩けない
  • お腹が張っているような姿勢

症状が進行すると、足を全く動かせなくなり、最終的には排泄のコントロールができなくなってしまいます。特に注意すべきは進行性脊椎軟化症で、椎間板ヘルニアのグレードⅤのうち約10%に発生し、発症した場合ほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。症状が現れてからの余命は3~7日と非常に進行が早いため、早期の対応が生死を分けます。

治療方法は症状の重症度により異なります。

  • 内科療法:絶対安静により症状改善を待つ(週1回通院で4,000~6,000円程度)
  • 外科手術:重症例では手術が必要(25~40万円程度)
  • 鍼治療:近年注目される補完療法

CT検査は5万円前後、MRI検査は10万円前後の費用がかかりますが、正確な診断のためには必要な検査です。

ダックスの外耳炎予防と日常ケア

ダックスフンドの垂れ耳は魅力的な特徴ですが、通気性が悪いため外耳炎にかかりやすいという問題があります。外耳炎が悪化すると中耳炎・内耳炎に進行し、さらには腫瘍化する可能性もあるため、日常的な予防ケアが重要です。

外耳炎の症状

  • 耳を後ろ足でしきりに掻く
  • 頭を振る動作を繰り返す
  • 耳を物にこすりつける
  • 褐色の耳垢が増える
  • 強い臭いを発する

予防方法として以下のケアを実践しましょう。

定期的な耳掃除:獣医師推奨の洗浄液を浸したコットンで優しく汚れを拭き取ります。人間用の綿棒は耳を傷つける可能性があるため使用を避けてください。

耳毛のトリミング:耳毛が長い場合は定期的にトリミングし、通気性を向上させます。

マッサージを兼ねた耳めくり:日常のスキンシップ時に意識して耳をめくり、耳内部に空気を流し込むことで雑菌の増殖を予防できます。

治療費は週1回の通院で3,000~6,000円程度(診察料、内服薬込み)となります。外耳炎は慢性化しやすい病気のため、継続的なケアが必要です。

ダックスの進行性網膜委縮症と視力低下対策

進行性網膜委縮症は、ダックスフンドに多く見られる遺伝性の眼疾患です。目の奥にある網膜が徐々に薄くなることで視力が低下し、最終的に失明に至る病気で、早い場合は生後2か月、最も多いのは2歳前後での発症です。

初期症状

  • 暗い場所での視力低下
  • 夕方や夜間の散歩を嫌がる
  • 物にぶつかるようになる
  • 暗い部屋では動かない

進行した症状

  • 明るい場所でも目が見えない
  • 動作が緩慢になる
  • まっすぐ歩けない

残念ながら有効な治療法は確立されていませんが、網膜の変性を遅らせる効果を期待して、アスタキサンチンなど抗酸化作用のあるサプリメントやビタミン製剤の使用が推奨されています。

予防と早期発見

遺伝的要因のため完全な予防は困難ですが、発症リスクが高いダックスフンドは定期的な眼底検査を受けることが重要です。また、この病気は遺伝するため、診断された犬は繁殖させないよう注意が必要です。

視力を失った犬との生活では、階段などの段差に注意し、急に触る際は必ず声をかけて安心させることが大切です。

ダックスの意外な病気リスクと最新予防法

一般的に知られている椎間板ヘルニアや外耳炎以外にも、ダックスフンドには注意すべき病気があります。

口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)は、ダックスフンドで特に多く見られる悪性腫瘍です。長いマズルで地面を擦ったり、固いものを噛む習性により歯茎への刺激が原因となって発症すると考えられています。

症状

  • 口の中に黒いまたはピンク色のしこり
  • しこりの急激な拡大
  • 口臭の悪化
  • よだれの増加

予防法

  • 毎日の歯磨きによるデンタルケア
  • 硬すぎる食べ物を避ける
  • 道路を舐めさせない
  • 定期的な口腔内チェック

甲状腺機能低下症も中年以降のダックスフンドに見られる病気です。甲状腺ホルモンの分泌低下により、元気消沈、食欲不振なのに肥満、よく眠る、寒がる、皮膚の黒ずみ、左右対称の脱毛などの症状が現れます。

この病気は自己免疫の影響が大きく予防が困難ですが、早期発見・早期治療により症状の改善が期待できます。シニア期に入ったら半年に1回の健康診断を受けることが推奨されます。

膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝の関節が脱臼する病気で、ダックスフンドを含む小型犬に多く見られます。予防には適正体重の維持、滑り止めマットの設置、高所からのジャンプを避けることが重要です。

これらの病気を予防するためには、日常的な観察と定期的な健康診断が不可欠です。愛犬の小さな変化に気づくことが、重篤な病気の早期発見につながります。