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必須脂肪酸と犬の健康効果解説

必須脂肪酸と犬の健康

必須脂肪酸が犬に与える健康効果
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皮膚・被毛の健康維持

皮膚のバリア機能を強化し、毛艶を改善する効果があります

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炎症の抑制と免疫調整

オメガ3が炎症を抑え、オメガ6が免疫機能をサポートします

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循環器系・認知機能サポート

心臓や血管の健康維持と脳機能の向上に寄与します


必須脂肪酸は犬が体内で合成できない脂肪酸で、食事から摂取する必要がある重要な栄養素です 。これらの脂肪酸は犬の健康維持において多方面にわたって重要な役割を果たしています 。

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犬に必要な必須脂肪酸は主にn-6系(オメガ6)とn-3系(オメガ3)に分類され、それぞれが異なる生理機能を担っています 。これらの脂肪酸は皮膚・被毛の健康、繁殖、免疫、発育機能に影響を与え、生体膜の構成成分として不可欠な存在です 。

参考)https://www.pet-foodist.jp/trivia/learn-more-about-choosing-oil-for-dogs-and-cats

現代の犬の食生活では、オメガ6脂肪酸の過剰摂取とオメガ3脂肪酸の不足という脂肪酸バランスの崩れが問題となっています 。このバランスの乱れは、アレルギーや炎症性疾患のリスクを高める可能性があります 。

必須脂肪酸オメガ6の役割と効果

オメガ6脂肪酸は犬の皮膚や被毛の健康維持において重要な役割を果たします 。代表的なオメガ6脂肪酸であるリノール酸は、皮膚の角質バリア機能を維持し、皮膚の炎症を防ぐ働きがあります 。
リノール酸は皮膚のセラミドなどによる表皮のバリア機能に関わることで、皮膚の保湿作用や脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を助ける作用があります 。さらに、コレステロールのエステル化に関与するため、毛艶にも直接的な影響を与えます 。

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また、オメガ6脂肪酸は白血球を活性化させて免疫力を向上させる効果がありますが、同時に炎症を促進する効果も持っているため、摂取量のバランスが重要になります 。体内に入った病原体を退治する細胞を活性化する働きもあり、適切な免疫機能の維持に寄与しています 。
犬のアトピー性皮膚炎や脂漏を呈する犬の皮脂では、健康な犬と比べてリノール酸が著しく低下していることが報告されており、皮膚疾患との関連性が示されています 。このため、オメガ6脂肪酸の適切な摂取は皮膚トラブルの予防や改善に効果的です 。

必須脂肪酸オメガ3の抗炎症作用

オメガ3脂肪酸は炎症を抑制する強力な作用を持ち、犬の健康維持において重要な役割を担っています 。代表的なオメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)があります 。

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皮膚への効果として、オメガ3脂肪酸はアトピー性皮膚炎の改善に特に効果的とされています 。痒みを緩和し、皮膚炎症を抑える働きにより、治療の主役となるステロイドなどの副作用が多い薬剤の使用量を減らすことができたという報告があります 。

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関節への効果では、オメガ3脂肪酸が関節炎の改善にも効果を示します 。関節炎による痛みがある場合、通常使用される痛み止めの投薬量を減らすことができたという臨床報告もあります 。
心血管系への効果として、血液中の悪玉(LDL)コレステロールを減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やす作用があります 。これにより心臓や血管系を保護し、関連する疾患の予防に寄与します 。
さらに、オメガ3脂肪酸は脳細胞を活性化させる作用があり、認知機能の維持や子犬の視力・脳の発達にも良い影響があるとされています 。

必須脂肪酸の適切なバランスと摂取方法

必須脂肪酸の摂取において最も重要なのは、オメガ6とオメガ3の適切なバランスです 。AAFCO(米国飼料検査官協会)では、犬のn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸の摂取バランスは最大許容量としてn-6:n-3=30:1と定められています 。
しかし、実際の健康維持においては、より理想的なバランスが推奨されています 。一般的にはオメガ6:オメガ3=5~10:1の比率が適切とされ、これ以上でも以下でも比率のバランスが崩れると、犬の皮膚や被毛の健康維持に影響が出ると考えられています 。

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アレルギーなどで皮膚に炎症がある場合には、オメガ3脂肪酸の比率を高めることが良いとされており、アレルギーに配慮したフードやサプリメントでは1:3~1:10の比率に設定されているものが多く見られます 。
摂取源として、オメガ3脂肪酸はまぐろ・サバ・サーモンなどの魚や亜麻仁油に多く含まれ、オメガ6脂肪酸は主に植物油(大豆油やコーン油など)に含まれています 。ただし、これらの食材から直接摂取する際は、カロリーや他の栄養素とのバランスも考慮する必要があります 。
手軽な摂取方法として、必須脂肪酸が含まれたドッグフードや犬用サプリメントの利用が推奨されます 。特にオメガ3脂肪酸は酸化しやすいため、保存方法には十分な注意が必要です 。

必須脂肪酸による犬の皮膚疾患改善効果

必須脂肪酸は犬のアトピー性皮膚炎治療において重要な補助的役割を果たします 。犬のアトピー性皮膚炎の治療に必須脂肪酸の経口摂取や外用は有効ですが、効果を得るためには最低限、およそ8週間の投与期間が必要とされています 。

参考)https://www.mpagro.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/10/mpj_2018_04.pdf

皮膚のセラミド量を増やす効果も報告されており、必須脂肪酸が欠乏するとセラミドなどの表皮の脂質が低下することが知られています 。2017年の研究では、必須脂肪酸(n-3)がバリア機能に重要なセラミド(アシルセラミド)代謝に関連することが発表されています 。
ドイツの獣医皮膚科医による研究では、犬のアトピー性皮膚炎の犬30頭にn-3脂肪酸を与えた際の臨床効果が、血漿中濃度と皮膚組織内濃度を同時に測定することで確認されています 。この研究により、必須脂肪酸の摂取がセラミド産生量の増加を通じて、バリア機能の改善を図り、アトピー性皮膚炎の症状を改善させることが示されています 。
皮膚バリア機能障害を持つ犬・猫に対するEFA(必須脂肪酸)スキンコントロールシャンプー/コンディショナーの効果も報告されており、外用による効果も確認されています 。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/d6cb29fa70fc4fb979f6aec1235189c6b1041439

ただし、治療薬を使わず必須脂肪酸のみでは、ほとんどの場合かゆみを抑えることが難しいため、既存の治療法との併用が望ましいとされています 。特に、ω-6、ω-3の必須脂肪酸は皮膚バリアの維持や抗炎症効果があり、ビタミンEは抗酸化成分の減少が報告されているため、CAD(犬アトピー性皮膚炎)の症状緩和が期待できます 。

参考)アトピー性皮膚炎と必須脂肪酸

必須脂肪酸サプリメントの選び方と注意点

必須脂肪酸サプリメントを選ぶ際は、オメガ3脂肪酸の供給源に注目することが重要です 。研究によると、海洋性n-3多価不飽和脂肪酸(魚油、クリルオイル)のみが有意にオメガ3指数を上昇させ、亜麻仁(フラックス)では有意な変化が見られませんでした 。
具体的には、4週間の投与で、クリル群では1.36±0.44から2.36±0.39%(p<0.001)、魚油群では1.35±0.22から1.9±0.35%(p<0.001)へとオメガ3指数が有意に増加しました 。これらの結果から、犬においては魚系オイルの方が植物性オイルよりも効果的であることが示されています 。 サプリメントの給与量については、体重に応じた適切な用量設定が必要です 。一般的には、体重5kgあたり小さじ1/4~1/2杯程度を1日の目安量として、1日1回~数回に分けて与えることが推奨されています 。

参考)UniOne オメガ3 サーモン – Meni-one Co…

安全性の観点から、ω3脂肪酸の過剰投与には注意が必要です 。過剰摂取は複数のメカニズムから下痢や嘔吐を引き起こす可能性があり、脂質の大量摂取は膵臓へ負担をかけて膵炎のリスクを高める可能性もあります 。

参考)慢性腎臓病でも推奨されるω3脂肪酸に副作用や許容量はあるのか…

保存方法についても、特にオメガ3脂肪酸は酸化しやすいため、適切な保存環境での管理が必要です 。また、オメガ3脂肪酸過剰摂取による免疫機能障害の可能性もあるため、適切な用量での使用が重要です 。
品質の高いサプリメントを選ぶ際は、DHA・EPA含有量が明記されているものを選び、必要に応じて獣医師に相談することが推奨されます 。動物病院専売品のサプリメントは、品質管理や栄養バランスが適切に調整されているため、より安心して使用できます 。