PR

異物誤飲(犬)症状と治療方法|対処法と予防のポイント

異物誤飲(犬)症状と治療方法

犬の異物誤飲対応ガイド
⚠️

症状の確認

嘔吐・食欲不振・元気消失などの症状をチェック

🏥

迅速な診断

レントゲン・エコー検査で異物の位置を特定

💊

適切な治療

催吐処置・内視鏡・手術から最適な方法を選択

異物誤飲(犬)による主な症状と危険性

犬の異物誤飲では、飲み込んだ物の種類や大きさによって様々な症状が現れます。最も多く見られる症状として、以下のようなサインが挙げられます。
消化器系の症状

  • 嘔吐(最も頻繁に見られる症状)
  • 食欲不振
  • 下痢
  • よだれが多く出る
  • ゲップが頻繁に出る
  • 便秘
  • 血便

全身症状

  • 元気がない
  • 震える
  • 落ち着かない様子
  • 呼吸が荒くなる

特に注意が必要なのは、異物誤飲をしても無症状の場合があることです。症状が出ないからといって安心せず、誤飲の可能性がある場合は必ず動物病院を受診することが重要です。
消化管閉塞が起きると、異物が胃や腸に詰まって食べ物や水分が通らなくなり、命に関わる危険な状態となります。この状態が長時間続くと、消化管の壊死や穿孔といった深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
また、中毒性のある物質を摂取した場合は、消化器症状に加えて神経症状(けいれん、意識を失うなど)や肝臓・腎臓への障害が現れることもあります。

異物誤飲(犬)の診断方法と検査内容

動物病院での診断は、飼い主からの詳細な問診から始まります。誤飲した物の種類、大きさ、形状、時間を正確に伝えることが診断の鍵となります。可能であれば、誤飲した物と同じものを持参すると、より適切な治療計画を立てることができます。
主な検査方法
腹部レントゲン検査
異物の位置や大きさを確認する基本的な検査です。ただし、レントゲンに写るものと写らないものがあるため注意が必要です。

  • 写りやすいもの:金属類、石、骨、一部のプラスチック
  • 写りにくいもの:布類、ゴム、食べ物系

腹部超音波検査(エコー検査)
レントゲンに写らない異物の検出や、消化管の状態を詳しく調べることができます。消化管の動きや壁の厚さも評価可能です。
血液検査
全身状態の確認や中毒の有無、内視鏡検査前の麻酔リスク評価のために実施されます。特に肝臓や腎臓の機能をチェックすることで、中毒性物質の影響を判断できます。
内視鏡検査
麻酔下で直接カメラを使って異物を確認し、場合によってはその場で摘出も可能です。胃内の異物であれば、この方法で安全に取り出せることが多くあります。
造影検査・CT検査
通常の検査で異物が確認できない場合や、より詳細な情報が必要な時に実施されます。造影剤を使用することで、消化管の通過障害を詳しく評価できます。

異物誤飲(犬)の治療方法|催吐処置から手術まで

治療方法は、誤飲した物の種類、大きさ、位置、犬の状態によって決定されます。主に3つの治療アプローチがあります。
催吐処置
異物を摂取してから1時間以内で、まだ胃に存在している場合に実施されます。以下の条件を満たす場合に適用されます。

  • 異物摂取が明らかであること
  • 摂取から1時間以内であること
  • 異物が食道を閉塞しない大きさであること
  • 犬の全身状態が良好であること

催吐剤を血管内に注射することで嘔吐を促します。無麻酔で実施可能なため、犬への負担が最も少ない方法です。
内視鏡による摘出
催吐で取り出せない場合や、尖った物で催吐が危険な場合に選択されます。麻酔下で内視鏡を使用し、鉗子で異物を掴んで取り出します。
内視鏡摘出のメリット。

  • 開腹手術より侵襲が少ない
  • 基本的に日帰り治療が可能
  • 回復が早い

開腹手術による摘出
最も侵襲的な治療法ですが、以下の場合に必要となります。

  • 異物が大きすぎて内視鏡で取り出せない
  • 小腸の奥まで進んでしまった
  • 消化管の損傷や壊死が疑われる

手術では、異物の位置する胃や腸を切開して取り出します。消化管の損傷が著しい場合は、一部を切除・吻合することもあります。術後は入院治療が必要になります。
中毒性物質の場合
中毒を引き起こす物質を摂取した場合は、催吐処置に加えて以下の治療が行われます。

  • 輸液治療:腎臓や肝臓を保護し、毒素の排出を促進
  • 対症療法:症状に応じた薬物治療
  • 活性炭投与:一部の毒素の吸着

異物誤飲(犬)の予防策と日常生活での注意点

異物誤飲は予防が最も重要です。特に好奇心旺盛な子犬や若い犬は誤飲しやすい傾向があるため、環境整備が不可欠です。
家庭内での予防対策
危険物の管理

  • 小さなおもちゃや部品を犬の届かない場所に保管
  • 竹串、爪楊枝などの尖った物の適切な処理
  • 電池や薬などの危険物質の厳重管理
  • 観葉植物の配置に注意(一部は中毒性あり)

食べ物の管理
犬にとって中毒性のある食べ物を適切に管理することが重要です。
危険な食べ物。

  • チョコレート(テオブロミン中毒)
  • 玉ねぎ、ニラ、ニンニク(溶血性貧血
  • レーズン、ブドウ(腎機能障害
  • キシリトール(低血糖症)
  • アボカド(ペルシン中毒)
  • ナッツ類(消化不良、中毒)

環境整備のポイント

  • 犬用のおもちゃは適切なサイズを選択
  • 破損したおもちゃやタオルは早めに交換
  • 散歩中の拾い食い防止のためのしつけ
  • 庭や室内の小物の定期的なチェック

年齢別の注意点
子犬(生後6ヶ月〜1歳)は特に注意が必要で、歯の生え変わり時期は何でも噛みたがる傾向があります。この時期は特に環境整備を徹底し、適切な噛むおもちゃを与えることが重要です。
成犬でも個体差があり、性格的に誤飲しやすい犬は継続的な注意が必要です。過去に誤飲歴のある犬は再発リスクが高いため、特に注意深い管理が求められます。

異物誤飲(犬)緊急時の対応と病院選びのポイント

異物誤飲が疑われる場合の初期対応は、その後の治療成功に大きく影響します。適切な対応方法を知っておくことで、愛犬の命を守ることができます。
緊急時の初期対応
やってはいけないこと

  • 無理に嘔吐させようとして口に手を入れる
  • 水や牛乳を大量に飲ませる
  • 食塩やオキシドールを自己判断で与える
  • お腹を強く押したり揉んだりする

これらの行為は症状を悪化させる可能性があります。
正しい初期対応

  • 犬を落ち着かせ、安静にする
  • 誤飲した物の情報を整理する(種類、大きさ、時間)
  • 同じ物があれば病院に持参する準備
  • かかりつけ医または救急病院に即座に連絡

病院への搬送時の注意点
移動中は犬の体勢を一定に保ち、お腹を圧迫しないよう注意します。クレートやキャリーケースを使用すると安全に搬送できます。
病院選びの重要ポイント
設備の充実度
異物誤飲の治療には専門的な設備が必要です。以下の設備を備えた病院を選ぶことが重要です。

  • レントゲン、エコー、CT設備
  • 内視鏡設備
  • 手術室と入院設備
  • 24時間対応の救急体制

実績と経験
異物誤飲の症例経験が豊富な病院ほど、適切な治療選択ができます。ホームページで症例実績を公開している病院も多いため、事前に確認しておくと安心です。
緊急時の連絡体制
夜間や休日の緊急時にも対応できる体制が整っているかを確認しておきましょう。かかりつけ医が24時間対応していない場合は、緊急時の紹介先を事前に聞いておくことが大切です。
費用の透明性
異物誤飲の治療費は治療方法によって大きく異なります。
治療費の目安。

  • 催吐処置:10,000〜30,000円
  • 内視鏡摘出:50,000〜150,000円
  • 開腹手術:100,000〜300,000円

事前に費用について説明してくれる病院を選ぶことで、安心して治療を受けることができます。
異物誤飲は予防が最も重要ですが、万が一の時のための備えも大切です。日頃からかかりつけ医との関係を築き、緊急時の対応について相談しておくことをお勧めします。