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コクサッキーウイルスと犬の感染リスク

コクサッキーウイルスと犬の感染について


コクサッキーウイルスの基本情報
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ウイルスの分類

エンテロウイルス属に分類される人間感染症の原因ウイルス

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主な病気

手足口病、ヘルパンギーナ、無菌性髄膜炎などを引き起こす

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犬への感染

現在のところ犬や猫への感染は報告されていない


コクサッキーウイルスの犬への感染は報告されていない

コクサッキーウイルスは、エンテロウイルス属に属するウイルスで、主にA群とB群に分類されます 。このウイルスは人間に感染し、手足口病やヘルパンギーナなどの夏季感染症を引き起こすことで知られています 。しかし、これまでの研究や臨床報告において、犬や猫などのペット動物への感染事例は報告されていません 。

参考)24日(水)終日休診。(ヘルパンギーナは犬猫に感染するか?)…

実際に、動物病院の公式見解でも「犬や猫には感染しません」と明確に記載されており、飼い主の皆さんが心配される必要はありません 。コクサッキーウイルスは人間特有の感染症であり、種の壁を越えてペットに感染することは極めて稀または存在しないと考えられています 。

参考)FORTH|新着情報|カンボジアで発生している原因不明の病気…

コクサッキーウイルス感染症の人間での症状と特徴

コクサッキーウイルス感染症は、多彩な症状を示すのが特徴です 。代表的な病気である手足口病では、口の中、手のひら、足の裏に2~5mm大の水疱性発疹が出現します 。潜伏期間は3~5日程度で、発熱は患者の約3分の1で認められますが、通常は高熱になることは少なく、数日以内に軽快します 。

参考)手足口病

ヘルパンギーナの場合は、突然の発熱に続いて、のどに痛みと水疱が現れます 。発熱は1~3日続き、食欲不振、全身のだるさ、頭痛などを起こします 。口峡部に2~5mm位の小さな潰瘍ができ、赤みを帯びるのが特徴的な所見です 。稀ではありますが、無菌性髄膜炎や急性心筋炎などの重篤な合併症を起こすこともあります 。

参考)手足口病(症状、大人もうつる?)|港区の高輪マリンこどもクリ…

犬の呼吸器感染症との違いと鑑別診断

犬には「ケンネルコフ」と呼ばれる呼吸器感染症があり、人間の風邪症状に似た症状を示します 。しかし、これは犬アデノウイルス2型や犬パラインフルエンザウイルスなど、犬特有のウイルスによって引き起こされるものです 。症状としては咳、くしゃみ、鼻水、発熱などの典型的な呼吸器症状が見られますが、コクサッキーウイルスとは全く異なる病原体です 。
犬のジステンパーウイルス感染症も、初期症状では人間の風邪に似ていますが、進行すると神経症状や脳炎を起こし、最悪の場合死に至ることもある重篤な感染症です 。これらの犬の感染症とコクサッキーウイルス感染症は、病原体も感染経路も全く異なるものであることを理解することが重要です 。

参考)犬アデノウイルス感染症|ペット保険のFPC

コクサッキーウイルス感染時の家庭での対応と予防

家族がコクサッキーウイルスに感染した場合の対応として、まず犬への感染の心配は不要ですが、人間同士での感染拡大防止が重要です 。手洗いは最も効果的な予防策で、外出後、トイレ使用後、食事前には必ず石鹸を使って念入りに手を洗いましょう 。

参考)手足口病は大人にも感染する?主な症状や予防方法を紹介

エンテロウイルスはアルコール消毒では失活しにくいため、流水で数十秒間手を洗うことが特に重要です 。感染者の便からは数週間から数ヶ月にわたってウイルスが排泄され続けるため、おむつ交換後などは特に注意深い手洗いが必要です 。うがいも喉のウイルスを洗い流し感染リスクを低減する有効な方法です 。

参考)大人も子供もかかる手足口病の原因や症状・治療について【発疹の…

コクサッキーウイルス感染症の独特な後遺症と長期的影響

コクサッキーウイルス感染症には、他の感染症ではあまり見られない独特な後遺症があります。近年報告されているのは、コクサッキーウイルスA6感染による手足口病の症状が消失してから1ヶ月以内に、一時的に手足の爪の脱落を伴う症例です 。この現象は自然に治るとされていますが、患者や家族にとっては驚くべき症状として認識されています。

参考)手足口病 | 厚生労働省|厚生労働省

また、コクサッキーウイルスB群による感染では、心筋炎を引き起こすリスクがあり、特に成人では注意が必要です 。発熱、咽頭痛などの症状に加えて、食欲不振、全身倦怠感、時には頭痛、下痢、嘔吐、筋肉痛などの多彩な症状が現れることがあります 。これらの症状は一般的な風邪症状と似ているため、正確な診断のためには医療機関での適切な検査が重要です 。

参考)http://www.chukai.ne.jp/~myaon80/mu4-caseC16coxakie.htm