マンソン犬の寄生虫症状
マンソン裂頭条虫感染時の犬の症状
マンソン裂頭条虫に感染した犬は、多くの場合初期段階では目立った症状を示しません 。軽症の場合、飼い主が最初に気づく変化は便の質の変化です。軟便になったり、普段よりも便の臭いが強くなったりすることがあります 。
食欲は旺盛なのに体重が増えないという特徴的な症状も見られることがあります 。これは寄生虫が栄養を奪っているためで、特に成長期の子犬では発育不全の原因となる可能性があります 。
マンソン裂頭条虫の重篤な感染症状
寄生数が多い場合、犬の状態はより深刻になります。慢性的な下痢が続き、体重減少(削痩)が顕著に現れるようになります 。栄養障害による元気消失も見られ、犬の全身状態に影響を与えます 。
最も重篤なケースでは腸閉塞を引き起こすことがあります 。これは成虫が腸管内で絡まったり、大量に存在することで腸の通過を妨げるために起こります。腸閉塞は緊急事態であり、早急な治療が必要です。
マンソン犬の検査と診断方法
マンソン裂頭条虫の診断は主に糞便検査によって行われます 。検査では特徴的な虫卵を顕微鏡で確認しますが、1回の検査では検出されない場合があるため、複数回の検査が推奨されます 。
便の中にきし麺やゴムひものような形をした片節が混ざって出てくることで感染に気づくケースも多くあります 。この片節は虫体の一部で、白いヒモ状の物質として肉眼でも確認できます 。
マンソン裂頭条虫の犬への感染経路と生活環
マンソン裂頭条虫は複雑な生活環を持つ寄生虫です。第一中間宿主はケンミジンコ類で、第二中間宿主がカエルやヘビなどの両生類・爬虫類になります 。犬への感染は、これらの第二中間宿主を捕食することで起こります 。
感染源となるカエルやヘビの体内には、マンソン裂頭条虫の幼虫(プレロセルコイド)が存在しています 。犬がこれらを食べると、幼虫が小腸に移行し約1.5年間生存します 。成虫は体長1メートル以上に成長することもある大型の条虫です 。
マンソン犬の治療における特殊な駆虫方法
マンソン裂頭条虫の駆除は他の条虫と比べて困難で、特別な治療アプローチが必要です。通常の駆虫薬では効果が不十分なため、プラジカンテルという薬剤を通常の6倍程度の高用量で使用する必要があります 。
治療には注射薬が使用されることが多く、1回の治療費は6,000円~8,000円程度かかります 。しかし、油性注射薬のため稀に注射部位反応性肉腫を形成するリスクもあり、注意深い観察が必要です 。完全な駆除のために複数回の治療が必要になることもあります。
参考)【マンソン裂頭条虫症】猫のマンソン裂頭条虫症とは?症状や治療…
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