新幹線犬カートの選び方と利用方法
新幹線で犬カートを使用する際のJRルール
新幹線で愛犬と一緒に旅行する際には、JRが定めた明確なルールを理解しておく必要があります。まず基本となるのは、ペットは必ず専用のケースに全身が収まった状態で乗車することです。このケースには厳格なサイズ制限があり、三辺の合計が90cm程度、最も長い辺が70cm以内、そしてペットとケースを合わせた重量が10kg以下という条件を満たす必要があります。
特に重要なのは、ペットカートについてのルールです。基本的に新幹線内ではペットカートの使用は禁止されていますが、キャリー部分とカート部分が分離できるタイプであれば使用可能です。ただし、改札から先はカートを押して進むことはできず、キャリーとカートを分離して手で持って移動しなければなりません。
また、ペットを連れて乗車する際には手回り品切符(290円)の購入が必要です。この切符は駅の券売機や窓口で購入できるほか、乗車後に車掌から購入することも可能です。
JR東日本のペット同伴乗車に関する詳細なルール説明
駅構内や車内ではペットをケースから出すことは禁止されています。これは他の乗客への配慮であり、アレルギーを持つ方や動物が苦手な方への配慮でもあります。これらのルールを守ることで、愛犬と快適に新幹線旅行を楽しむことができます。
犬カートの選び方と新幹線に適したおすすめモデル
新幹線での利用を前提にペットカートを選ぶ際は、いくつかの重要なポイントがあります。最も重要なのは、キャリー部分とカート部分が分離できるタイプであることです。これはJRのルール上、必須条件となります。
人気の分離型ペットカートとしては、以下のようなモデルがあります:
- コムペット「ミリミリEG」:軽量で持ち運びやすく、三辺合計が145cmながらJRでの使用実績があります。特に重めの犬を飼っている場合におすすめです。
- エアバギーフォードッグ:SMサイズでコット部分が3.4kgと比較的軽量で、複数のペットを連れて旅行する場合に便利です。
- ペットギア「ハッピーキャリー」:折りたたみが簡単で、女性でも片手で持てる重さが特徴です。三輪タイプで小回りが利きます。
選ぶ際のチェックポイントとしては、以下の点に注意しましょう:
- 重量:キャリーとペットの合計が10kg以下であること
- サイズ:三辺合計90cm程度(目安)、最長辺70cm以内
- 分離のしやすさ:駅での分離作業がスムーズにできるか
- 折りたたみ機能:カート部分がコンパクトに折りたためるか
- 持ち運びやすさ:分離後に両手で持ち運べる重さか
特に小型犬から中型犬を飼っている方は、ペットの体重とカートの重量を合わせて考慮することが重要です。愛犬の体重が7kg以上ある場合は、カート自体の軽量性を重視すると良いでしょう。
コムペット「ミリミリEG」の公式製品情報
新幹線乗車時の犬カート使用手順と注意点
新幹線に愛犬と一緒に乗車する際の具体的な手順と注意点をご紹介します。スムーズな乗車のためには、事前の準備と正しい手順の理解が欠かせません。
乗車前の準備:
- 手回り品切符(290円)を購入する
- 愛犬をキャリーに入れ、落ち着かせる
- 改札に向かう前に、トイレを済ませておく
改札通過時:
- 改札前でペットカートからキャリー部分を取り外す
- カート部分は折りたたんで持つ
- 改札係員に手回り品切符を提示する
車内での過ごし方:
- キャリーは基本的に足元に置く(網棚は危険なので避ける)
- 折りたたんだカート部分は網棚か最後尾席後方のスペースに置く
- 車内では絶対にペットをケースから出さない
特に注意したいのは、改札から先はカートを押して進めないという点です。これはJRの明確なルールであり、必ずキャリーとカートを分離して手で持って移動する必要があります。
また、ペット用に追加の座席を予約することはできません。JRでは1人につき1席を超える座席の予約は禁止されています。ただし、車いすスペースのある席(例:東海道線の場合、11号車の12番B席、13番B席)は、当日空いていれば予約可能で、そこにキャリーを置くスペースがあります。ただし車いすの方が優先となります。
新幹線犬カート利用時のトラブル回避法
新幹線で愛犬と旅行する際に起こりうるトラブルを回避するためのポイントをご紹介します。事前の準備と対策で、スムーズな旅行を実現しましょう。
乗り換え時の対策:
階段の多いJRの駅では、キャリーとカートを分離して持ち運ぶ必要があるため、特に乗り換えが大変です。以下の対策が有効です:
- エレベーターの位置を事前に調査する:主要駅のエレベーター位置を調べておくと移動がスムーズになります。
- 駅までタクシーを利用する:特に荷物が多い場合は、駅までタクシーで行き、新幹線改札に直接アクセスできる出入口を利用するのがおすすめです。
- 東京駅から東海道新幹線:八重洲側でタクシーを降り、八重洲中央南口から
- 東京駅から東北上越新幹線:八重洲北口から入り、新幹線北のりかえ口から
- 品川駅から東海道新幹線:港南口でタクシーを降り、新幹線のりば南口から
愛犬のストレス対策:
- 事前に慣らす:新幹線利用の1ヶ月前からペットカートに慣れさせる練習をしましょう。
- お気に入りのおもちゃやブランケット:愛犬のリラックスに役立つアイテムを持参します。
- 適度な運動:乗車前に適度な運動をさせ、車内でおとなしく過ごせるようにします。
他の乗客とのトラブル防止:
- 静かに過ごせるよう訓練:急な鳴き声で他の乗客に迷惑をかけないよう、事前にカートでの静かな過ごし方を練習しておきます。
- 清潔を保つ:ペットシーツやタオルを多めに持参し、万が一の汚れにも対応できるようにします。
- 周囲への配慮:アレルギーを持つ方への配慮として、できるだけ人の少ない時間帯や車両を選ぶと良いでしょう。
新幹線犬カート旅行での特大荷物スペース活用術
2020年5月から新幹線では特大荷物に関する新しいルールが設定され、これをペットとの旅行に活用する方法があります。このルールでは、三辺の合計が160~250cmの荷物については「特大荷物スペース付き座席」の予約が必要となりました。
この「特大荷物スペース付き座席」は、基本的に車両の一番後ろにあり、背後に荷物が置けるスペースがあります。事前に予約すれば通常の指定席と同じ料金で利用できるため、ペットカートを置くスペースとしても活用できます。
特大荷物スペース付き座席の活用ポイント:
- 予約方法:「特大荷物スペース付き座席」として明示的に予約します。通常の指定席予約と同じ料金です。
- メリット:背後に荷物スペースがあるため、分離したキャリーを足元ではなく背後に置くことができます。
- 注意点:特大荷物を持っている他の乗客が優先的に利用するスペースなので、混雑時は譲り合いの精神が必要です。
この座席は、特に中型犬など比較的大きめのペットと旅行する場合に便利です。キャリーを足元に置くと窮屈になりがちですが、背後のスペースを利用することで、より快適に過ごせます。
また、東海道新幹線の場合、11号車と16号車に設置されていることが多いので、予約時に確認しておくと良いでしょう。
JR東日本の特大荷物スペース付き座席についての詳細情報
新幹線での愛犬との旅行は、適切な準備と知識があれば非常に快適なものになります。特に分離型のペットカートを使用することで、移動の負担を大きく減らすことができます。JRのルールを守りながら、愛犬との素敵な旅の思い出を作ってください。
愛犬と新幹線旅行を楽しむためには、適切なペットカートの選択と正しい利用方法の理解が不可欠です。この記事で紹介した情報を参考に、愛犬との新たな旅の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。事前の準備と計画で、愛犬も飼い主も快適な新幹線旅行を実現できます。