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瓜実条虫と犬の感染症状・治療法

瓜実条虫と犬の症状・治療

犬の瓜実条虫症の基本情報
🪱

瓜実条虫の特徴

サナダムシの一種で50cm以上の長い虫体が小腸に寄生

🦟

感染経路

瓜実条虫の幼虫を持つノミを口から摂取することで感染

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診断・治療

片節確認と糞便検査による診断、駆虫薬による治療

瓜実条虫の基本的な特徴と感染メカニズム

瓜実条虫(Dipylidium caninum)は、サナダムシの一種として犬や猫に最も多く見られる条虫の代表格です 。この寄生虫は瓜の種に似た片節が数珠のように連なった構造を持ち、成長すると体長50cm以上にも達する平たい虫体を形成します 。

参考)瓜実条虫症|ペット保険のFPC

感染経路は、瓜実条虫の幼虫を体内に保有するノミを犬が毛づくろい中に口から摂取することで成立します 。このノミには主にイヌノミやネコノミが該当し、これらの中間宿主が瓜実条虫の卵を摂取後、体内で幼虫まで発育させるのです 。

参考)獣医師が解説【犬の寄生虫感染症】 瓜実条虫症の代表的な症状、…

感染から約1ヶ月後には、成熟した瓜実条虫の片節が犬の糞便に排出されるようになり、この時点で感染の発見が可能となります 。

参考)瓜実条虫(うりざねじょうちゅう) – あいむ動物病院 西船橋

瓜実条虫感染による犬の症状

瓜実条虫症の症状は、寄生数によって大きく異なる特徴があります。少数寄生の場合、多くの犬では目立った症状を示さず、無症状で経過することが一般的です 。

参考)犬の瓜実条虫症【獣医師執筆】犬の病気辞典

しかし、感染の典型的なサインとして、肛門周囲に米粒状またはゴマ粒状の白い片節が付着する現象が観察されます 。この片節は活発に動き回るため、犬は肛門周囲の違和感や痒みを感じ、お尻を地面にこすりつけたり舐めたりする行動を頻繁に見せるようになります 。

参考)【瓜実条虫症】猫の瓜実条虫症とは?症状や治療法を解説 | 佐…

多数寄生の場合には、以下の消化器症状が現れることがあります。

特に幼犬では重篤な症状を呈することがあり、痙攣などの神経症状まで発現する症例も報告されています 。

瓜実条虫の診断方法と検査

瓜実条虫症の診断は、主に片節の直接確認と糞便検査の組み合わせで行われます 。最も確実な診断法は、肛門周囲や糞便表面に付着している米粒状の片節を肉眼で発見することです 。
糞便検査では、瓜実条虫の卵や片節の検出を試みますが、通常の糞便検査では虫卵の検出率は高くないという特徴があります 。これは、瓜実条虫の卵が片節内に包まれた状態で排出されるため、一般的な浮遊法では検出困難なことが理由です 。

参考)https://www.cresse-ah.com/column/45.html

診断の補助として、以下の検査も実施されます。

  • セロハンテープによる肛門周囲検査法
  • ノミの寄生状況確認(体表面や毛の間の検査)
  • 消化器症状が重篤な場合の血液検査や画像診断

片節は乾燥すると収縮してゴマ粒のような外観になりますが、水分を含むと再び活発に動き始めるという特徴的な性質を持ちます 。

瓜実条虫の治療薬と駆虫方法

瓜実条虫の治療には、プラジクアンテル製剤を主体とした駆虫薬が第一選択として使用されます 。この薬剤は条虫に対して特異的に作用し、副作用が少なく安全性の高い治療法として確立されています 。

使用される駆虫薬の種類と特徴。

  • プラジクアンテル単剤(ドロンシット錠)- 条虫専用の駆虫薬
  • プラジクアンテル・パモ酸ピランテル・フェンバンタゾール合剤(ドロンタールプラス錠)- 多種寄生虫に対応
  • プラジクアンテル・エモデプシド合剤(プロフェンダースポット)- 投薬困難な犬用の滴下タイプ

治療と並行して、感染源であるノミの駆除が極めて重要です 。瓜実条虫の駆虫のみ行ってもノミが残存していれば再感染率は高くなるため、ノミダニ駆除薬の定期使用が必要不可欠となります 。

参考)ノミが媒介する感染症「瓜実条虫症」を自分で調べる方法や予防方…

重篤な消化器症状を伴う場合には、脱水補正のための輸液療法や、二次感染予防の抗生剤投与が併用されることもあります 。

瓜実条虫感染の予防対策と環境管理

瓜実条虫症の最も効果的な予防法は、中間宿主であるノミの徹底的な駆除と環境管理です 。現在では、ノミ駆除薬の定期投与により高い予防効果が期待できます。

参考)ノミ対策でしっかり予防!犬猫の「瓜実条虫症」

ノミ駆除による予防対策

  • 月1回の定期的なノミダニ駆除薬の投与
  • 犬糸状虫症予防薬との複合製剤の活用
  • 外部寄生虫と内部寄生虫を同時予防できる薬剤の選択

環境管理による予防強化

  • 犬の生活環境(寝床、リビング等)の定期的な掃除機による清掃
  • カーペットやソファなどのノミ卵除去
  • 屋外での散歩後のブラッシングによるノミチェック

さらに、瓜実条虫は人獣共通感染症(ズーノーシス)でもあるため、幼児がいる家庭では特に注意が必要です 。人への感染は、ノミを潰した手を舐めることで発生する可能性があり、乳幼児での感染例が複数報告されています 。

参考)瓜実条虫症 href=”https://1013.jp/%E7%93%9C%E5%AE%9F%E6%9D%A1%E8%99%AB%E7%97%87/” target=”_blank”>https://1013.jp/%E7%93%9C%E5%AE%9F%E6%9D%A1%E8%99%AB%E7%97%87/amp;#8211; 壱岐動物病院

定期的な健康診断での糞便検査実施により、早期発見・早期治療体制を整えることも重要な予防策の一つです 。

参考)人にも感染する寄生虫について:綾部動物病院