PR

気管支拡張症犬の症状と治療法予防

気管支拡張症犬の症状と治療法予防

気管支拡張症犬の基本情報
🫁

病気の概要

気管支壁の弾性や筋が破壊され、気管支が異常に拡張する慢性呼吸器疾患

⚠️

進行の特徴

一度進行すると元に戻らない、不可逆性の病気

🐕

発症年齢

中年齢から高齢犬によくみられる呼吸器疾患

気管支拡張症の主な症状

気管支拡張症の犬に見られる主な症状は以下の通りです:

  • 持続性の咳 – 乾いた咳または痰のからんだ咳が続きます
  • 頻呼吸 – 呼吸が速くなります
  • 運動不耐性 – 運動するとすぐに息が上がってしまいます
  • 呼吸困難 – 重症化すると呼吸が苦しそうになります
  • 発熱 – 細菌感染を伴う場合に見られることがあります

症状の特徴として、粘液線毛クリアランスの低下が起こり、粘液や滲出液の貯留、細菌の二次感染により炎症反応が引き起こされる悪循環に陥ります。これにより、症状は徐々に悪化していく傾向があります。

気管支拡張症犬の診断方法と検査

正確な診断には、以下の検査方法が用いられます:

基本検査

  • 血液検査(特殊検査含む)
  • X線検査
  • 聴診による呼吸音の評価

特殊検査

  • CT検査 – 最も感度の高い診断ツールとされています
  • 気管支鏡検査(内視鏡検査)
  • 高解像度コンピューター断層撮影(HRCT)

CT検査は人間の医療では”至適基準(gold standard)”とされており、犬においても重要な診断ツールとなっています。ただし、これらの特殊検査には全身麻酔が必要で、特殊な設備を要するため、すべての動物病院で実施できるわけではありません。

気管支拡張症犬の原因と好発品種

気管支拡張症の原因は多岐にわたります:

主な原因

  • 真菌や寄生虫の慢性感染
  • Bordetella bronchicepticaの慢性感染
  • 好酸球性気管支肺症
  • 繰り返す誤嚥性肺炎
  • 非感染性慢性気管支炎
  • 異物の誤飲

先天的要因

  • 原発性線毛運動不全症
  • 気管支軟骨無形成症
  • 気管支形成不全
  • 分類不能型免疫不全症(CVID)

好発品種 🐕

以下の犬種で発症リスクが高いとされています:

気管支拡張症犬の治療法と管理

気管支拡張症は完治が困難な疾患のため、症状の軽減と進行抑制を目的とした治療が行われます:

薬物療法

  • 抗生剤 – 細菌感染のコントロール
  • 気管支拡張薬 – 気道の拡張
  • 去痰薬 – 痰の排出を促進
  • 抗炎症薬 – 炎症の抑制
  • テオフィリン – 粘液線毛クリアランスの改善

ネブライザー療法

抗生剤や気管支拡張剤を霧状にして吸引する治療法です。病院での実施だけでなく、状況によっては機械をレンタルまたは購入して家庭で行うことも可能です。

外科治療

限局性の気管支拡張症では、病変部の肺葉切除により治癒が期待できる場合があります。

気管支拡張症犬の予防とホームケア

残念ながら気管支拡張症の特定の予防方法はありませんが、以下の対策が重要です:

基礎疾患の早期発見・治療 🔍

気管支拡張症の多くは二次的な変化であるため、原因となる基礎疾患の早期発見と適切な治療が予防につながります。

環境管理

  • 湿度を適切に保つ
  • 刺激物(タバコの煙、化学物質)を避ける
  • 興奮や過度な運動を制限する
  • 適切な体重管理

定期的な健康チェック

呼吸がしんどそうな様子や、運動後に息切れしやすいなどの症状が見られたら、早めに動物病院を受診することが大切です。

長期管理のポイント

気管支拡張症の犬の多くは、適切な治療により数年にわたって生存可能とされています。ただし、発咳などの症状が続くことが多いため、継続的な管理と定期的な獣医師の診察が必要です。

ペット保険FPCの気管支拡張症解説 – 症状から治療まで詳しく解説されています
獣医師執筆の犬の気管支拡張症詳細ガイド – 専門的な診断や治療について詳しく説明されています