ビション・フリーゼ病気
ビション・フリーゼ膝蓋骨脱臼の症状と治療
膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝のお皿部分が本来の位置から横方向にずれてしまう病気です。ビション・フリーゼのような小型犬は特に発症しやすく、内側への脱臼が多く見られます。
症状の特徴
- 後ろ足を挙上して歩く
- 膝をガクガクと震えさせる
- 急にキャンキャン鳴いて痛がる
- 遊んでいる最中に突然足をかばうような動作
初期段階では痛みが発生しないこともあるため、気付かないケースが多々あります。症状が進行すると、脱臼による膝関節全体へのダメージが蓄積され、骨の変形や関節炎を起こし、最終的には歩行困難になる可能性もあります。
治療費用の目安
- 内科療法:通院1回あたり3,000円~10,000円程度(年間6万円~10万円程度)
- 外科療法:術前検査、入院、手術、術後検診などを合わせて20万円~40万円程度
予防方法
- 床にカーペットを敷いて滑りを防止
- 爪切りや足裏の毛のカットで滑り対策
- 高所からのジャンプを避ける
- 肥満にならないよう体重管理
ビション・フリーゼ白内障の早期発見と対策
白内障は、水晶体が白く濁って視力に影響が出る病気です。ビション・フリーゼは遺伝的要因により白内障になりやすい犬種とされており、シュナウザーやトイプードル、柴犬などと同様にかかりやすい傾向があります。
症状の進行段階
治療方法と費用
- 内科療法:月に2回の通院で1回あたり3,000円~10,000円程度(年間6万円~10万円程度)
- 外科療法:片目25万円程度、両目手術の場合は術前検査、入院、手術、術後検診などを合わせて60万円~70万円程度
白内障は遺伝性や老化による要因が多く、確実な予防は困難です。しかし、紫外線を長時間浴びることで発症リスクが高まるとも言われているため、昼過ぎの強い日差しの中での長時間散歩は避けることが推奨されます。
ビション・フリーゼ流涙症と涙やけ対策
流涙症は、常に犬の眼の周辺に涙があふれている状態で、ビション・フリーゼが最もかかりやすい病気の一つです。涙があふれ出して目頭から鼻の横にかけて被毛にこびりついて変色したものが涙やけと呼ばれます。
症状と原因
流涙症の主な原因として、ビション・フリーゼ特有のふわふわした毛が常に顔にかぶさり、不衛生になることが挙げられます。この状態が続くと、目の周りで菌が繁殖しやすくなり、症状が悪化します。
対策方法
- こまめに目の周りをチェック
- 涙や目ヤニがある場合は清潔なガーゼでふき取る
- 目ヤニを放置せず、早期に除去(菌の繁殖を防ぐため)
- 犬とのスキンシップを兼ねた体調チェック
重篤化のリスク
流涙症がひどくなると手術が必要になる場合があります。目が見えなくなったり、視力が弱くなると事故に巻き込まれるリスクも高くなるため、早期対処が重要です。
ビション・フリーゼの白い毛は汚れが目立ちやすく、特に涙やけは外見にも影響するため、日頃からの丁寧なケアが必要不可欠です。
ビション・フリーゼ尿路結石症の予防と管理
尿路結石症は、膀胱や尿道に砂や石のような物質(結石)がたまってしまう病気です。ビション・フリーゼは、ミニチュアシュナウザーやトイプードル、コッカースパニエルと並んで、この病気になりやすい犬種とされています。
症状の特徴
- 赤い尿が出る、血が混じっている
- 何回もトイレに行く
- いつもと違う場所での排尿
- 排尿時に痛がる
- 陰部をしきりに舐める
- 食欲不振
危険な合併症
結石が尿道に詰まり、おしっこが全く出なくなると非常に危険な状態になります。この状態が続くと:
尿が完全に出なくなって24時間以上経つと腎不全を起こし、生命にかかわります。特にオスの方が尿道が長くて細いため、尿道閉塞を起こすリスクが高くなります。
予防方法
- 水分をたくさん取らせる:水を絶やさない、数カ所に置く、こまめに水を変えて新鮮な水を置く
- 適切な食事管理:結石の成分となる物質を制限し、尿のpHを結石のできにくい範囲にする
- ドライフードからウェットフードへの切り替え:水分摂取量を増やす効果的な方法
- トイレを常に清潔に保つ:快適な排尿環境を整える
治療費用
- 内科療法:週1回の通院で1回あたり3,000円~6,000円程度(完治まで毎月2万円~3万円程度)
- 外科療法:外科手術での摘出が必要な場合は15万円~20万円程度
ビション・フリーゼ特有の皮膚病リスクと対策
ビション・フリーゼは、その特徴的な被毛構造により、一般的にはあまり知られていない皮膚疾患にかかりやすい傾向があります。
急性湿潤性湿疹は、別名ホットスポットと呼ばれる皮膚疾患で、ビション・フリーゼのようなアンダーコートが密生した犬種がかかりやすいとされています。この病気は、湿気がこもりやすい毛質特有の問題として発症します。
症状の特徴
- 局所的な皮膚の炎症
- 赤く腫れた病変部位
- 強いかゆみ
- 湿疹部位の毛の脱落
ビション・フリーゼは、アレルギー性皮膚炎にもかかりやすい犬種です。環境中のアレルゲンや食物アレルゲンに反応して、皮膚炎を起こすことがあります。
対策方法
- 定期的なブラッシング:アンダーコートの通気性を良くする
- 適切なトリミング:毛玉や毛の絡まりを防ぐ
- 清潔な環境の維持:湿度管理や寝床の清潔さを保つ
- 食事管理:アレルギー対応フードの検討
ビション・フリーゼの白い毛は汚れが目立ちやすく、皮膚トラブルも発見しやすい反面、日頃からの丁寧なケアが欠かせません。