チャウ・チャウのかかりやすい病気と寿命
チャウ・チャウの平均寿命と年齢換算
チャウ・チャウの平均寿命は10年前後とされており、大型犬の平均寿命13年前後と比較すると、やや短い傾向にあります。しかし、適切な健康管理を行うことで15歳頃まで長生きするケースも報告されています。
人間の年齢に換算すると、以下のような対応になります。
犬の年齢 | 人間換算年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
1歳 | 15歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | 成犬 |
5歳 | 40歳 | 成犬 |
7歳 | 54歳 | シニア犬 |
10歳 | 75歳 | 高齢犬 |
この換算表は大型犬の計算式「12+(犬の年齢-1)×7=人間相当年齢」に基づいています。
チャウ・チャウの眼病リスクと対策
チャウ・チャウは被毛に隠れるような小さな目を持つため、眼病にかかる確率が高い犬種として知られています。
主な眼病:
- 眼瞼内反症 – まぶたが内側に裏返り、まつ毛が眼球を刺激する病気
- 眼瞼外反症 – まぶたが外側にめくれ、結膜が露出する病気
- 緑内障 – 眼圧が上昇し、視力低下を引き起こす疾患
- 角膜炎 – 角膜に炎症が起こる病気
眼瞼内反症は遺伝的要因が強く、チャウ・チャウの好発品種とされています。症状として目の充血や涙が多く出る場合があり、放置すると角膜潰瘍や瘢痕を起こし、視力低下につながる可能性があります。根本的な治療には外科的手術が必要になることが多いです。
予防と早期発見のポイント:
- 目元を気にするような仕草を見せたらすぐに動物病院へ
- 定期的な眼科検診を受ける
- 目やにや涙の量に注意を払う
チャウ・チャウの関節疾患と遺伝的要因
チャウ・チャウは大型犬特有の関節疾患にかかりやすく、特に遺伝的要因が強い疾患が多く見られます。
股関節を形成する骨盤の寛骨臼と大腿骨の噛み合わせが悪くなる病気で、主に遺伝性の疾患です。
症状。
- 腰を左右に振りながら歩く
- 足の動きが不自然
- 散歩を嫌がる
- 階段などの段差を嫌がる
成長期に発症することが多く、体の成長速度や運動量の増加によって関節の設置面に不具合が生じ、痛みが発生します。遺伝的要因が高いとされ、放置すると変形性関節症を発症するリスクがあります。
治療法:
- 基本的には保存療法(体重管理、抗炎症薬、鎮痛剤、サプリメント)
- レーザー療法
- 保存療法で改善が見られない場合は外科的治療
予防策:
- 適切な体重管理
- 過度な運動を避ける
- 段差などの負荷を軽減する環境整備
チャウ・チャウの呼吸器系疾患と短頭種特有の問題
チャウ・チャウは短頭種(マズルが短い犬種)に分類され、呼吸器系の疾患にかかりやすい特徴があります。
鼻腔狭窄
鼻の穴と鼻腔内部の空間が狭まった状態で、短頭種に遺伝的に起こりやすい疾患です。
症状。
- 鼻を鳴らす
- 鼻水をよく飛ばす
- 呼吸が荒くなる
軟口蓋過長症
口腔内の天井部から後方に伸びた軟口蓋が通常よりも長く、呼吸が妨げられる病気です。
短頭種気道症候群
鼻から気管にかけての気道が狭くなり、呼吸の通りが悪くなる症候群です。
熱中症のリスク
モコモコの被毛とマズルの短さから体温調節が苦手で、暑さに非常に弱い犬種です。熱中症にかかるリスクが高いため、夏場のクーラーは必須です。
対策:
- 散歩は早朝や夜の涼しい時間帯に行う
- 呼吸数が上がる激しい運動は避ける
- 鼻水をこまめに拭き取る
- 保冷剤を使用して体温を下げる
チャウ・チャウの皮膚疾患と被毛管理の重要性
チャウ・チャウはダブルコートと呼ばれる二重構造の被毛を持ち、太くて硬いオーバーコート(上毛)と綿毛のようなアンダーコート(下毛)で構成されています。この特殊な被毛構造により、熱や湿気がこもりやすく、皮膚炎を起こしやすい傾向があります。
主な皮膚疾患:
皮膚炎の症状:
- 身体を痒がる
- 皮膚が赤みを帯びる
- 毛が薄くまだらになる
予防方法:
被毛管理のポイント:
チャウ・チャウの被毛は非常に密度が高いため、週に2〜3回のブラッシングが必要です。特に換毛期には毎日のブラッシングを行い、アンダーコートの抜け毛を除去することで皮膚の健康を維持できます。
また、湿度の高い季節には皮膚の蒸れを防ぐため、被毛を適度にカットすることも効果的です。ただし、チャウ・チャウの被毛は体温調節の役割も果たしているため、過度なカットは避けるべきです。
意外な事実:
チャウ・チャウの皮膚は他の犬種と比較して厚く、これは寒冷地での生活に適応した結果です。しかし、この厚い皮膚が原因で皮膚疾患が重篤化しやすく、早期発見が特に重要とされています。
チャウ・チャウの健康管理において、これらの疾患を理解し、適切な予防策を講じることで、愛犬の生活の質を向上させ、寿命を延ばすことが可能です。定期的な健康診断と日常的な観察が、早期発見・早期治療の鍵となります。