ドッグフード イタリアングレーハウンドのかかりやすい病気と寿命
イタリアングレーハウンドの平均寿命と長寿の秘訣
イタリアングレーハウンドの平均寿命は12~15歳とされており、全犬種の中でも特に長寿な犬種として知られています。アニコム損保の調査では、犬種別平均寿命ランキングで1位という結果も出ています。
この長寿の背景には、筋肉質で引き締まった体つきと、比較的健康的な体質があります。しかし、華奢に見える外見とは裏腹に、実は非常に頑丈で健康的な犬種なのです。
人間の年齢に換算すると、以下のような対応関係になります。
犬の年齢 | 人間換算年齢 |
---|---|
1歳 | 12歳 |
5歳 | 37歳 |
10歳 | 59歳 |
15歳 | 81歳 |
最高齢の記録では18歳まで生きたイタリアングレーハウンドも存在し、適切な飼育環境と健康管理により、さらなる長寿も期待できます。
ドッグフード選びで予防できる膝蓋骨脱臼と骨折対策
イタリアングレーハウンドが最も注意すべき疾患が膝蓋骨脱臼です。膝のお皿が本来の位置からずれてしまう病気で、グレード1から4まで段階があります。
膝蓋骨脱臼の症状段階
- グレード1:ほとんど症状なし、自然治癒することが多い
- グレード2:時々足を浮かせて歩く、比較的簡単に治る
- グレード3:常に脱臼状態、歩行障害が見られる
- グレード4:骨変形、歩行困難または不可能
この病気の予防には、関節ケア成分が配合されたドッグフードが効果的です。グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン、MSMなどの成分が関節の健康をサポートします。
また、イタリアングレーハウンドは骨が細く骨折しやすい特徴があります。肥満は骨や関節に負担をかけるため、適度に低脂質なドッグフードで体重管理を行うことが重要です。
治療費の目安として、膝蓋骨脱臼の手術は20万円~40万円程度かかります。予防的なケアがいかに重要かがわかります。
イタリアングレーハウンドの目の病気と早期発見のポイント
イタリアングレーハウンドは白内障と緑内障という目の病気にかかりやすい犬種です。
白内障の特徴
白内障は水晶体が白く濁る病気で、多くは遺伝によるものです。6歳未満で発症するケースもあり、進行すると視力低下や失明の可能性があります。症状が進行すると緑内障やぶどう膜炎などの合併症を起こすリスクも高まります。
緑内障との違い
緑内障は白内障と異なり完治が見込めない病気です。早期発見・早期治療により進行を遅らせることはできますが、根本的な治療は困難です。
早期発見のサイン
- 物にぶつかりやすくなる
- 暗闇で歩きたがらない
- 目の色が変化する
- あまり動きたがらない
白内障の手術費用は片目25万円程度、両目で60万円~70万円という高額な治療費がかかります。定期的な健康診断と日常的な観察が予防の鍵となります。
マラセチア皮膚炎とドッグフードの関係性
マラセチア皮膚炎は、皮脂をエサにするマラセチア菌が異常増殖することで起こる皮膚病です。イタリアングレーハウンドに多く見られる疾患の一つです。
症状の特徴
- 皮膚の炎症とべたつき
- 大量のフケ
- 酸っぱく油っぽい独特な異臭
- 強いかゆみによる掻きむしり
- 感染部位の赤いただれと脱毛
この病気の予防には、皮膚の健康を維持する栄養素を含むドッグフードが重要です。オメガ3脂肪酸やビタミンE、亜鉛などの栄養素が皮膚バリア機能をサポートします。
治療は長期にわたることが多く、週1回の通院で1回あたり3,000円~8,000円程度の費用がかかります。専用シャンプーも1本1,500円~3,000円程度必要で、継続的な管理が求められます。
予防のポイント
- 定期的な健康診断
- 皮膚に優しい成分のドッグフード選び
- 適切なグルーミング
- ストレス管理
イタリアングレーハウンド専用ドッグフードの選び方と寒さ対策の意外な関係
イタリアングレーハウンドは極度の寒がりで、この特性が健康管理に大きく影響します。寒さはてんかん発作の誘因にもなるため、体温維持をサポートする栄養管理が重要です。
寒さ対策に効果的な栄養素
- 良質なタンパク質:筋肉量維持で基礎代謝向上
- 適度な脂質:エネルギー源として体温維持をサポート
- ビタミンB群:エネルギー代謝を促進
- 鉄分:血行促進で末端まで温める
消化器系への配慮
イタリアングレーハウンドは敏感な消化器系を持つため、消化に優しい食材選びが重要です。
- 鶏肉:高タンパクで消化しやすい
- 米:グルテンフリーで胃腸に優しい
- さつまいも:食物繊維豊富で腸内環境改善
意外な事実:運動量と食事の関係
イタリアングレーハウンドは見た目に反して非常に運動量が豊富な犬種です。運動不足はストレスを溜め込み、心身の健康を害する要因となります。そのため、運動量に見合ったカロリー摂取が必要ですが、骨が細いため肥満は絶対に避けなければなりません。
この矛盾を解決するには、高タンパク・適度な脂質・低炭水化物のドッグフードが理想的です。また、冬場の散歩時は洋服を着せるなどの防寒対策と併せて、体を内側から温める栄養管理が健康維持の鍵となります。
ライフステージ別の注意点
- 成長期(0~8ヶ月):骨格形成期のため十分な栄養が必要
- 成犬期(~7歳):活発な運動量に対応した高エネルギー食
- シニア期(7~10歳):関節ケア成分強化
- 高齢期(10歳~):消化しやすく栄養価の高い食事
イタリアングレーハウンドの健康管理は、単なる病気の治療だけでなく、犬種特性を理解した総合的なアプローチが必要です。適切なドッグフード選びと環境管理により、平均寿命を超える長寿も十分に期待できる犬種といえるでしょう。