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エナラプリルと犬の僧帽弁閉鎖不全症治療

エナラプリルと犬の心臓病治療

エナラプリルによる犬の心臓病治療
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血管拡張効果

心臓への負担を軽減し血流を改善

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症状緩和

咳や呼吸困難の軽減効果

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長期効果

病気の進行抑制と延命効果

エナラプリルの基本的な作用機序と犬への効果

エナラプリルマレイン酸塩は、ACE阻害薬と呼ばれる血管拡張薬の一つで、犬の慢性心不全治療に欠かせない薬剤です 。この薬は体内でジアシド体に変換され、血管収縮作用のあるアンジオテンシンⅡという物質の産生を阻害することで効果を発揮します 。

参考)エナラプリル – つなしま動物病院

犬に投与されたエナラプリルは約2.9時間で血中濃度が最高となり、半減期は4.6時間とされています 。血管が拡張することで心臓の負荷が減少し、尿タンパクが減少、血圧の低下などの作用が起こります 。

参考)https://aska-animal.co.jp/products/detail/pdf/rhythminal_202308.pdf

実際の動物実験では、犬の慢性心不全モデルにおいて、エナラプリルマレイン酸塩は心拍数にはほとんど影響を与えることなく、末梢血管抵抗を減少させ、心拍出量を増大させることが確認されています 。

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00061202.pdf

エナラプリルによる犬の僧帽弁閉鎖不全症治療効果

僧帽弁閉鎖不全症は犬の心臓病で最も発症率の高い疾患で、特に小型犬やシニア犬に多く見られます 。この病気では心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がしっかり閉じなくなり、血液が逆流する状態となります 。

参考)犬の僧帽弁閉鎖不全症の内科治療とは?|薬で進行を抑える心臓病…

エナラプリルは僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全に伴う症状の改善に効果があり、体重1kg当たり0.25mg~0.5mgを1日1回経口投与します 。必要に応じて0.5mgを1日2回に増量することも可能です 。

参考)あすかアニマルヘルス株式会社|製品情報

症状の改善、病気の進行を遅らせるなどの効果があり、治療により咳が減ったり、呼吸が楽になったりする犬も多く見られます 。内服薬使用により心臓に余計な負担がかからなくなると、以前より元気が出てきたり、食欲が戻ったりすることもあります 。

参考)犬の僧帽弁閉鎖不全症の薬の効果とは?|投薬で変わる症状や生活…

エナラプリル治療における犬の副作用と注意点

エナラプリルは比較的副作用の少ない薬剤とされていますが、蛋白尿やヘマトクリット値、AST(GOT)、ALT(GPT)、BUN、クレアチニン、ALP、CPKの変動が認められることがあります 。

参考)https://aska-animal.co.jp/products/detail/pdf/riz_202304.pdf

まれに低血圧、低カリウム血症、腎機能障害が起こることがあるため、定期的な診察や血液検査が必要です 。特に肝・腎機能障害のある犬や肝・腎疾患の既往歴のある犬については、投与後の経過を観察し、必要に応じて臨床検査を行うことが重要です 。
妊娠犬及び哺乳犬に対する安全性は確立されていないため、妊娠中及び授乳中の犬には投与しません 。やむを得ず授乳中の犬に投与する場合には、授乳を中止させることが推奨されています 。

エナラプリルと犬の他の心臓病治療薬との併用効果

犬の心不全治療では、エナラプリルと他の心臓病治療薬を組み合わせることで、より効果的な治療が可能になります。ピモベンダン、フロセミド、エナラプリルの3剤併用療法は、症候性粘液腫性僧帽弁変性症の犬において広く使用されています 。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10568857/

この併用療法により、心拍変動性の改善や症状の軽減が期待できます 。ただし、ジギタリス強心配糖体と併用する場合には、心室性早期拍動や嘔吐・下痢等のジギタリス強心配糖体を原因とする副作用に十分注意する必要があります 。
ループ系利尿剤との併用では、低血圧、嘔吐・下痢等のループ系利尿剤を原因とする副作用に注意が必要です 。鎮痛消炎薬(NSAID)との併用では腎臓に障害が起こる場合があるため、慎重な管理が求められます 。

エナラプリル治療による犬の生活の質向上と長期予後

エナラプリルによる治療は、犬の症状を根本的に治すものではありませんが、生活の質(QOL)の維持・向上に大きく貢献します 。飲み続けることで効果が現れるタイプの薬であり、心臓や腎臓の病気は薬で症状が良くなっても、元通りに治ることはないため、継続的な投薬が重要です 。
薬で病気の進行を抑えることができるため、長期間の治療継続により愛犬の生活の質を保つことが可能です 。実際に、薬を使って心臓の機能が安定することで、散歩時の疲れやすさが軽減するケースも報告されています 。
治療により目に見える変化がなくても、検査上で心臓の拡大が落ち着いたり、肺水腫のリスクが抑えられたりすることがあります 。処方から1ヶ月以上経過した薬は変性する可能性があるため、余った薬は廃棄することが推奨されています 。
犬の慢性心不全に対するマレイン酸エナラプリルの臨床試験データが詳細に記載されています
リズミナール錠(エナラプリル製剤)の製品情報と使用上の注意が記載されています