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外耳炎犬症状と治療方法完全ガイド

外耳炎犬症状と治療方法

犬の外耳炎:症状から治療まで完全解説
🔍

症状の早期発見

耳を掻く・頭を振る・悪臭などの初期サインを見逃さない

💊

適切な治療法

洗浄・投薬・手術まで症状に応じた治療選択

🛡️

予防と管理

日常ケアと環境管理で再発を防ぐ

外耳炎犬症状の見分け方と初期サイン

犬の外耳炎は非常に一般的な疾患で、4頭に1頭が生涯のうちに経験するとされています。早期発見のためには、以下の症状を見逃さないことが重要です。
初期症状のチェックポイント

  • 頭をブルブルと振る頻度が増加
  • 後ろ足で耳を頻繁に掻く
  • 耳を床や壁に擦りつける
  • 耳から独特の悪臭がする
  • 耳垢の量が明らかに増加

特に湿度や気温が上がる6月から夏場にかけては、耳の中が蒸れやすく外耳炎の発症リスクが高まります。初期段階では軽度のかゆみから始まりますが、進行すると痛みを伴うようになり、愛犬が耳を触られることを嫌がるようになります。
進行した症状の特徴

  • 耳介部の赤みと腫れ
  • 黄色や茶色のベタベタした耳垢
  • 膿を伴う耳だれ(耳漏)
  • 耳の聞こえが悪くなる
  • 首を傾けるような姿勢

マラセチア性外耳炎では、茶色から黒色のベタベタした耳垢と独特な臭いが特徴的です。一方、耳ダニが原因の場合は、黒い耳垢が大量に認められます。

外耳炎犬治療の基本的な方法と薬物療法

外耳炎の治療は原因と症状の重症度に応じて選択されます。獣医師による適切な診断を受けた上で、以下の治療法が組み合わせて実施されます。
基本的な治療プロセス

  • 耳道洗浄による汚れと耳垢の除去
  • 抗菌・抗真菌薬の投与
  • 抗炎症薬による痛みとかゆみの軽減
  • 原因に応じた特異的治療

耳の洗浄は治療の基盤となります。専用の洗浄液を使用して耳道内を清潔にすることで、薬剤の効果を最大化できます。ただし、飼い主による自己流の洗浄は症状を悪化させる可能性があるため、必ず獣医師の指導のもとで行うことが重要です。
薬物療法の選択肢

  • 外用薬:点耳薬(抗菌・抗真菌・抗炎症成分配合)
  • 内服薬:重症例や全身症状がある場合
  • 新薬:ネプトラ®(1回の投薬で28日間効果持続)

最近では、ネプトラ®という新しい治療薬が注目されています。これは1回の投薬で28日間効果が持続するため、耳の治療を嫌がる犬にとって画期的な選択肢となっています。
重症例での手術適応
慢性化した外耳炎では、耳道が狭くなったり閉塞したりする場合があります。このような症例では外側耳道切除術などの手術が必要になることもあります。手術により通気性を改善し、洗浄や薬剤投与を容易にすることができます。

外耳炎犬原因別の予防策とケア方法

外耳炎の予防には原因に応じたアプローチが必要です。PSPP分類という診断体系では、外耳炎の原因を主因・副因・増悪因・素因の4つに分類しています。
アレルギー性外耳炎の対策
アレルギーは外耳炎の最も一般的な主因です。食物アレルギー環境アレルギー(花粉、ハウスダスト)が原因となる場合、根本的な管理が必要です。

  • 除去食試験によるアレルゲンの特定
  • アレルギー対応フードの使用
  • 環境中のアレルゲン除去(定期的な掃除、空気清浄機の使用)
  • 腸内環境の改善(プロバイオティクス

興味深いことに、アレルギー性皮膚炎の犬では腸内フローラの多様性低下が確認されており、腸活サプリメントによる腸内環境改善が外耳炎の症状軽減に効果的とされています。
犬種特有の対策
垂れ耳の犬種や耳毛が密集している犬種は構造的に外耳炎になりやすいため、特別な注意が必要です。

  • 高リスク犬種:ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、柴犬
  • 定期的な耳毛処理(ただし炎症時は避ける)
  • 適切な頻度での耳掃除(月1回程度)
  • 水遊びやシャンプー後の十分な乾燥

日常的な予防ケア

  • 週1回程度の耳の観察とチェック
  • 異常な臭いや赤みの早期発見
  • 湿度の高い環境の回避
  • 適切な食事管理とストレス軽減

外耳炎犬重症化のリスクと手術適応

外耳炎を放置すると、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。特に慢性化した場合の影響は深刻で、愛犬の生活の質を著しく低下させます。
重症化による合併症

  • 中耳炎・内耳炎への波及
  • 耳血腫の形成
  • 耳道の瘢痕化と狭窄
  • 聴力の永続的な低下
  • 顔面神経麻痺のリスク

耳血腫は外耳炎によるかゆみで激しく頭を振ることにより、耳介の血管が破れて血液が貯留する状態です。軽度であれば内科的治療で改善しますが、重症例では外科的処置が必要になります。
手術適応の判断基準
慢性難治性外耳炎では、以下の条件が揃った場合に手術が検討されます。

  • 6ヶ月以上の内科的治療に反応しない
  • 耳道の著明な狭窄や閉塞
  • 繰り返す中耳炎の併発
  • 生活の質の著しい低下

外科的治療の選択肢

  • 外側耳道切除術:垂直耳道の一部を切除し通気性を改善
  • 全耳道切除術:重度の症例で耳道全体を除去
  • 鼓室切開術:中耳炎併発例での鼓室洗浄

外側耳道切除術により、耳道の通気性が改善され、洗浄や投薬が容易になります。本症例では手術後に慢性外耳炎が完治し、聴力も改善しました。
最新の内視鏡技術
近年、ビデオオトスコープを用いた耳道内視鏡検査・治療が普及しています。この技術により、鼓膜の状態まで詳細に観察でき、異物除去や徹底的な洗浄が可能になりました。特に慢性外耳炎での異物化した耳垢や毛の塊を効率的に除去できます。

外耳炎犬の日常管理と再発防止のコツ

外耳炎の治療成功には、日常的な管理と再発防止策が欠かせません。研究によると、外耳炎群と健常群では外耳道細菌叢の構成が異なることが明らかになっており、細菌叢の管理が重要であることが示されています。
効果的な日常管理方法

  • 定期的な耳のチェック:週2-3回の観察習慣
  • 適切な耳掃除の頻度:健康な犬で月1回程度
  • 環境湿度の管理:60%以下を目標
  • 水分除去の徹底:入浴・水遊び後の完全乾燥

耳掃除は過度に行うと逆効果になることがあります。健康な耳であれば、35-37度のぬるま湯で軽く拭く程度で十分です。綿棒の使用は耳道を傷つける可能性があるため避けるべきです。
食事管理と栄養サポート
外耳炎の再発防止には、免疫力の維持と皮膚バリア機能の強化が重要です。

  • オメガ3脂肪酸:抗炎症作用による皮膚状態の改善
  • プロバイオティクス:腸内環境改善によるアレルギー症状の軽減
  • 抗酸化物質:ビタミンE、C、セレンなどによる免疫力強化
  • 亜鉛補給:皮膚の健康維持に必須

季節別の管理ポイント

  • 春夏(高リスク期):週3回以上の耳チェック、除湿対策
  • 秋冬:暖房による乾燥とコタツでの蒸れに注意
  • 梅雨時期:特に湿度管理と通気性の確保

早期受診の判断基準
以下の症状が見られた場合は、早急に動物病院を受診することが推奨されます。

  • 耳の悪臭が2日以上続く
  • 黄色や緑色の耳だれ
  • 耳を触ると明らかに痛がる
  • 頭の傾きや平衡感覚の異常
  • 食欲不振や元気消失

治療後のフォローアップ
治療終了後も定期的な経過観察が重要です。多くの外耳炎は再発しやすい特徴があるため、月1回程度の定期検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。
獣医師との良好なコミュニケーションを保ち、愛犬の耳の健康状態について定期的に相談することで、外耳炎の予防と適切な管理が実現できます。