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脾臓摘出術と犬の健康への影響

脾臓摘出術と犬の健康管理

犬の脾臓摘出術について
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手術が必要なケース

脾臓腫瘍や血管肉腫、血種などの診断時に実施される外科手術

緊急時の対応

脾臓破裂による腹腔内出血時の迅速な治療

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術後の回復管理

定期的な血液検査と生活管理による健康維持

脾臓摘出術が必要な犬の病気

犬の脾臓摘出術は、主に脾臓腫瘍の治療で実施される手術です。脾臓の腫瘍は良性・悪性を問わず、しこりが小さくても脾臓が破裂し出血する可能性があるため、基本的には手術が必要になります。

参考)犬の脾臓摘出術|手術が必要なケースについて獣医師が解説

脾臓腫瘍の中でも特に血管肉腫が多く見られ、脾臓の悪性腫瘍の約50%を占めています。血管肉腫は血管を形成する細胞に由来する腫瘍で、腫瘍細胞が血液に乗って転移しやすく、腫瘍の塊から出血を起こしやすいことが特徴です。

参考)犬の脾臓の血管肉腫|横浜市戸塚区の動物病院|ぬのかわ犬猫病院

脾臓摘出術の対象となる主な疾患。

  • 脾臓腫瘍(血管肉腫、肉腫NOS等)
  • 脾臓血種による破裂
  • 外傷性の脾臓損傷
  • 免疫介在性疾患による脾臓の機能異常

脾臓摘出術の手術方法と特徴

脾臓摘出術には脾臓全摘術と脾臓部分切除術の2種類があります。最も一般的に行われるのは脾臓全摘術で、脾臓から出る動静脈を止血して切除します。

参考)脾臓摘出術  part2 href=”https://www.meguriah.jp/2851/” target=”_blank”>https://www.meguriah.jp/2851/amp;#8211; 【早朝7時から対応…

脾臓部分切除術は脾臓の一部のみを切除する方法ですが、めったに行われません。このタイプの脾臓摘出術は、外傷性で脾臓の一部が損傷した場合や、画像検査で明らかに良性腫瘤であると考えられる場合に考慮されます。
現在では、サンダービートという超音波でシーリングする機器を使用することで、手術の所要時間を30分程度に短縮できるようになっています。この機器は熱や電気メス、超音波によって血管を溶かしていく装置で、従来のメスでの再出血やシーリング機器での血管の焦げなどの問題を解決しています。

参考)犬の脾臓腫瘍について href=”https://tateishi-ah.jp/column/dog-splenic-tumors/” target=”_blank”>https://tateishi-ah.jp/column/dog-splenic-tumors/amp;#8211; 調布にある「タテイシ動…

脾臓摘出後の犬の回復過程

脾臓を全摘出した場合のデメリットは特に問題なく、脾臓の機能は他の臓器が代償できるものが多いため、大きな影響はないと考えられています。脾臓は血液細胞の数をコントロールしているため、手術後に血小板の数などの上昇を認める場合もありますが、特に問題はありません。

参考)脾臓の腫瘍(摘出術)について

術後の回復は一般的に良好で、手術の翌日には退院できるケースも多く見られます。犬種によっては脾臓摘出と同時に予防的胃固定を行い、胃捻転を防ぐ処置を実施することがあります。

参考)脾臓摘出術 href=”https://www.meguriah.jp/2826/” target=”_blank”>https://www.meguriah.jp/2826/amp;#8211; 【早朝7時から対応】渋谷区代々木…

術後の管理において重要なのは定期的な検査です。

  • 血液検査による健康状態のチェック
  • 貧血の有無の確認
  • 血小板数の監視
  • 体調変化の早期発見

脾臓摘出術のリスクと合併症

脾臓摘出術には術後のリスクとして、結紮部位などからの出血があります。背景疾患によっては凝固障害が起こりやすく、それにより出血しやすいこともあります。
胃拡張捻転症候群(GDV)のリスクについても報告されています。脾臓摘出によりGDVが起こるリスクが上がるという報告もあり、大型犬では脾臓摘出と同時に胃固定手術を行うことがあります。
麻酔中の不整脈も重要なリスクの一つです。脾臓が悪性腫瘍の場合や大きな腫瘍の場合、手術時に心室性の期外収縮が多発することがあります。心室細動になると血圧の維持が困難になるため、抗不整脈薬であるリドカインの持続点滴を使用します。
脾臓摘出後の犬では、出血性のショックや激しい運動に対して耐性が低いとの報告もあるため、完全に影響がないとは言えません。

脾臓摘出術の治療費用と病理検査

脾臓摘出術の費用は、犬の体重や手術の複雑さによって異なります。一般的な治療費の目安として、90,000円から140,000円程度の範囲で設定されている病院が多く見られます。この金額には術前検査、麻酔料、手術料、入院費、病理検査が含まれています。

参考)料金表 – 川崎市幸区の動物病院|さいわい動物病院 JR川崎…

大型犬の場合、手術がより複雑になることがあり、168,000円程度の費用がかかる症例も報告されています。手術までには血液検査(約2,500円)、血液凝固検査(約3,500円)、心電図(約2,500円)が平均的に必要です。

参考)http://www.mystarhospital.com/syuyousyourei1.html

病理組織学的検査は約8,000円で実施され、摘出した脾臓の組織を詳しく調べることで、腫瘍の種類や悪性度を正確に診断できます。病理検査の結果によって、術後の治療方針が決定されます。
悪性腫瘍と診断された場合は、抗がん剤による化学療法の検討が必要になります。使用される抗がん剤にはカルボプラチン、ドキソルビシン、トセラニブなどがあります。