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犬瞬きしない時の原因と症状から見る病気対策

犬瞬きしない症状と原因

犬の瞬きしない症状について
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正常な瞬きの回数

犬は人間より瞬きが少なく、瞬膜という第3のまぶたがあるため

⚠️

危険な症状

片側だけ瞬きしない、目を開けたままの状態が続く

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受診の目安

24時間以上症状が続く場合は早急な診察が必要

犬が瞬きしない症状は、飼い主にとって非常に心配な状況です。正常な犬の瞬きは人間よりも少ないのが特徴で、これは犬の目に「瞬膜」という第3のまぶたが存在するためです。瞬膜は涙の約30%を作り出す働きがあり、これにより瞬きの回数が少なくて済むのです。

しかし、通常よりも明らかに瞬きが少ない、または全く瞬きしない状態が続く場合は、何らかの病気や神経系の異常を示している可能性があります。特に片側だけ瞬きしない症状は、顔面神経麻痺の典型的な症状として知られています。

犬の瞬膜は水平方向に移動し、通常は目の端にわずかに見える程度ですが、犬が寝ている時に白目のように見えるのは、実際には瞬膜が閉じている状態です。この特殊な構造により、犬は人間ほど頻繁に瞬きをする必要がないのです。

犬顔面神経麻痺による瞬きしない症状

顔面神経麻痺は、犬が瞬きしない最も一般的な原因の一つです。この病気では、顔の筋肉を動かす神経が麻痺することで、まばたきができなくなります。

顔面神経麻痺の主な症状には以下があります。

  • 片方の瞼が垂れ下がる
  • 口元が片側に垂れる
  • 食事をうまく取れずこぼしてしまう
  • 片側の耳が垂れ下がる

この病気の原因として考えられるものには、中耳・内耳の感染症、甲状腺機能低下症、多発性の神経疾患や脳炎、頭部への外傷、腫瘍などがあります。特に第7脳神経や脳幹に浸潤する腫瘍は重篤な症状を引き起こす可能性があります。

両側に症状が現れることもありますが、この場合は変化が分かりにくいため、飼い主が気づきにくいことがあります。症状に気づいた際は、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。

犬目の病気による瞬きしない原因

瞬きしない症状の背景には、様々な目の病気が隠れている可能性があります。これらの疾患は単独で発症することもあれば、複数が同時に起こることもあります。

角膜びらん・角膜潰瘍

角膜の表面が損傷を受けることで、痛みにより瞬きができなくなることがあります。シャンプーやドライヤーの刺激、異物の混入などが原因となります。症状として目やに・涙の増加、羞明(しゅうめい)、眼瞼痙攣が見られます。

乾性角結膜炎(ドライアイ)

涙の分泌量が減少することで、角膜や結膜に炎症が起こります。シーズーやパグなどの短頭種に多く見られ、粘り気のある目やにや白目の充血が特徴的です。

緑内障

眼内圧の上昇により激しい痛みを伴う疾患で、柴犬、シーズー、コッカースパニエルによく見られます。充血、羞明、瞳孔散大などの症状があり、治療が遅れると失明の危険があります。

進行性網膜萎縮

遺伝性疾患で、ミニチュアダックスフンド、プードルなどの犬種に多く発症します。初期は夜盲症から始まり、最終的には完全失明に至る可能性があります。

犬瞬きしない時の応急処置方法

犬が瞬きしない症状を示した際の適切な応急処置は、症状の悪化を防ぎ、獣医師の診察まで愛犬を安全に保つために重要です。

目の乾燥対策

瞬きができない状態では目が乾燥しやすくなるため、人工涙液の点眼薬を使用して目を潤すことが効果的です。市販の犬用目薬も使用できますが、動物病院で処方される人工涙液が最も安全で効果的です。

環境の調整

  • 強い光や風から目を保護する
  • ホコリや刺激物から遠ざける
  • エアコンの風が直接当たらないようにする

観察のポイント

症状の詳細な記録を取ることで、獣医師の診断に役立てることができます。

  • 症状が始まった時間と継続期間
  • 片側か両側かの確認
  • 随伴症状(目やに、充血、腫れなど)
  • 食事や水分摂取の状況

してはいけないこと

  • 無理に目を開閉させる
  • 人間用の目薬の使用
  • 目の周りを強くこする
  • 症状を様子見で放置する

症状が24時間以上続く場合や、痛みを伴う様子が見られる場合は、緊急性が高いため即座に動物病院を受診する必要があります。

犬重症筋無力症と瞬きしない症状の関係

時間帯によって瞬きがなくなる症状は、重症筋無力症という神経筋疾患の可能性を示唆しています。この疾患は見過ごしてはいけない重要なサインです。

重症筋無力症は、神経から筋肉への信号伝達に問題が生じる病気で、特に運動後や夕方に症状が悪化する傾向があります。瞼の筋肉が疲労しやすくなるため、一日の中で瞬きができなくなる時間帯が現れることがあります。

症状の特徴

  • 朝は正常だが夕方になると症状が悪化
  • 運動後に症状が顕著になる
  • 休息により一時的に改善する
  • 食事中に噛む力が弱くなる

診断と治療

重症筋無力症の診断には、血液検査による抗体検査や神経伝導検査が必要です。治療には免疫抑制剤やコリンエステラーゼ阻害薬などが使用されます。

この疾患は早期発見・早期治療が重要で、適切な治療により症状の改善が期待できます。時間帯による症状の変動に気づいた場合は、詳細な症状の記録を取り、専門医による診察を受けることが推奨されます。

犬瞬きしない症状の予防と日常ケア

犬の瞬きしない症状を予防するためには、日常的な目のケアと健康管理が欠かせません。適切なケアにより、多くの目の疾患を未然に防ぐことができます。

日常の目のケア

目の周りの毛のケアは特に重要で、トイ・プードル、ヨークシャー・テリアマルチーズシーズーなどの犬種では定期的なカットが必要です。伸びた毛が目に入ることで炎症を起こし、瞬きに影響を与える可能性があります。

涙やけの対策として、目の下を清潔に保つことが重要です。鼻涙管の狭窄が原因の場合は、動物病院での処置が根本的な治療となりますが、日常的には綺麗なコットンを水で濡らして涙を拭き取ることが効果的です。

環境管理

  • 散歩時のホコリや異物から目を保護
  • 室内の湿度を適切に保つ(50-60%)
  • 刺激の強いシャンプーやスプレーの使用を避ける

定期健診の重要性

年に2回以上の定期健診により、初期の目の疾患を発見することができます。特に高齢犬や遺伝的に目の病気になりやすい犬種では、より頻繁な検査が推奨されます。

栄養管理

ビタミンA、C、E、オメガ3脂肪酸などの栄養素は目の健康維持に重要です。バランスの取れた食事と適切なサプリメントの摂取により、目の老化を遅らせることができます。

早期発見のための観察ポイント

  • 目の色や透明度の変化
  • 瞬きの回数や頻度の変化
  • 目やにの量や色の変化
  • 光に対する反応の変化

これらの予防策を実践することで、犬の瞬きしない症状のリスクを大幅に減らすことができ、愛犬の目の健康を長期間維持することが可能になります。