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犬のおしっこ出ない原因・症状・病院いつ行く対処法

犬のおしっこ出ない原因・症状・対処

犬のおしっこが出ない時の対処法
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緊急度の高い症状

24時間おしっこが出ない、血尿、痛がって鳴くなどの症状は即座に動物病院へ

🔍

主な原因となる病気

尿路結石症、膀胱炎、前立腺肥大、腎臓病など様々な疾患が関与

🛡️

予防と日常ケア

適切な水分補給、清潔な環境、定期健康診断で早期発見を

犬のおしっこ出ない症状の危険度と病院受診の目安

愛犬がおしっこをしようとしても出ない状態は、非常に危険な症状です。特に12時間以上排尿していない場合は注意が必要で、24時間以上続く場合は緊急事態と考えるべきです。

以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。

  • 何度もトイレに行くけれどおしっこが出ない
  • 血尿が見られる
  • おしっこにキラキラしたものや結石が混じっている
  • 排尿時に苦しそうに鳴く
  • 性器をしきりに舐める
  • ポタポタと少量しか出ない
  • トイレを出たり入ったりを繰り返す

おしっこが出ない状態が続くと、本来排出されるはずの窒素化合物などの有害物質が体内に蓄積され、最終的には「尿毒症」を引き起こします。この状態では嘔吐、下痢、食欲不振、けいれん、昏睡などの症状が現れ、2日以上続けば死に至ることもあります。

犬のおしっこ出ない主な原因となる病気

犬のおしっこが出ない原因は、大きく「おしっこが出せない」と「そもそもおしっこがつくれない」の2つに分けられます。

🔸 おしっこが出せない原因(腎後性)

尿路結石症(尿石症)が最も代表的な原因です。腎臓、尿管、膀胱、尿道にできた結石や結晶が尿道に詰まることで尿道閉塞が起こります。特にオス犬は尿道が細くカーブしているため結石が詰まりやすい傾向があります。

人気の小型犬種では以下が注意が必要です:

膀胱炎も重要な原因の一つです。細菌感染や他の刺激によって膀胱に炎症が起こり、痛みがあるためおしっこが少量しか出なくなります。メス犬は尿道が短く肛門に近いため、細菌が膀胱に入りやすく膀胱炎になりやすい傾向があります。

前立腺肥大は中高齢の未去勢オス犬に多く見られ、肥大した前立腺が尿道を圧迫して排尿困難を引き起こします。

🔸 おしっこがつくれない原因

急性腎不全では、中毒や細菌性腎炎などによって急に腎臓が働かなくなり、おしっこがつくれなくなります。

慢性腎臓病の末期では、腎臓の組織が95%以上破壊されると、尿が全く作れない腎不全の状態になります。

心臓病や急激な脱水、大量出血による血液循環の問題(腎前性)でも、腎臓は機能していてもおしっこがつくれない状態になることがあります。

犬のおしっこ出ない時の家庭での観察ポイント

愛犬の排尿状況を正しく把握するために、日頃から以下の点を観察しておくことが重要です。

📊 正常な排尿の目安

  • 成犬では1日3〜5回(散歩中のマーキングを除く)
  • 子犬と老犬はやや回数が多くなる傾向
  • 飲んだ水の量によって尿量は変化する

👀 観察すべき項目

  • 排尿回数と時間間隔
  • 尿の量と色の変化
  • 排尿時の姿勢と表情
  • トイレでの行動パターン
  • 水分摂取量

計量カップやペットボトルなどを使って、愛犬の1日の水分摂取量を把握しておくと、動物病院での診断に役立ちます。

🚨 緊急性を判断する2つのパターン

パターン①:トイレに行くけど出ない

  • まったく出ない→結石や腫瘍による完全閉塞の可能性
  • 少しずつ出る→膀胱炎や部分的閉塞の可能性

パターン②:トイレに行かない

  • 水分摂取量の低下
  • 腎臓機能の問題
  • 神経系の異常

特に冬場は要注意で、寒さによる水分摂取量の低下や活動量の減少が尿のトラブルを引き起こしやすくなります。

犬のおしっこ出ない病院での診断と治療方法

動物病院では、愛犬の症状に応じて以下のような検査と治療が行われます。

🔬 主な検査方法

尿検査は基本的な検査で、細菌感染の有無、結晶の種類、血尿の程度などを調べます。ただし、細菌性膀胱炎以外は尿検査だけでは原因が特定できないため、追加検査が必要です。

血液検査により腎機能や全身状態を評価し、レントゲン検査超音波検査で結石の有無や膀胱の状態を確認します。

⚕️ 治療方法

緊急処置として、完全に尿道が詰まっている場合はカテーテル挿入による尿道閉塞の解除が最優先となります。

薬物療法では、細菌性膀胱炎には抗生物質、結石の種類に応じた溶解療法、炎症を抑える消炎剤などが使用されます。

外科的治療が必要な場合もあり、大きな結石の摘出手術や、前立腺肥大に対する去勢手術などが行われます。

輸液療法により脱水の改善や腎機能のサポートが行われることもあります。

治療期間は原因によって異なりますが、早期発見・早期治療が重要で、症状が軽いうちに治療を開始すれば予後は良好です。

犬のおしっこ出ない予防法と日常管理の秘訣

愛犬の泌尿器系の健康を守るためには、日常的な予防策が非常に重要です。

💧 効果的な水分補給の工夫

常に新鮮な水を用意し、特に冬場には冷たい水を嫌がる犬のために室温やぬるま湯を提供しましょう。

ドライフードが主食の場合は、ウェットフードを取り入れることで水分補給を助けることができます。水分摂取量が少ないと尿の濃度が高まり、結石形成のリスクが高まります。

🏠 適切な排尿環境の整備

おしっこを我慢することは膀胱炎や尿路結石の原因となるため、散歩の時間を確保して自然な排尿を促しましょう。

室内のトイレ環境は常に清潔に保ち、こまめな掃除を心がけることが大切です。

🥘 食事管理のポイント

バランスの良い食事と、尿路結石を予防する療法食の活用が効果的です。特に結石症の既往がある犬では、獣医師の指導のもとで適切な食事療法を継続することが重要です。

📅 定期健康診断の重要性

尿検査や血液検査を定期的に受けることで、早期発見に努めましょう。特に高齢犬や過去に泌尿器系の病気になったことがある犬は、より頻繁な検査が推奨されます。

😌 ストレス管理

ストレスは膀胱炎の原因になることがあります。生活環境を整え、愛犬がリラックスできる時間を確保してください。

🎯 意外な予防テクニック

多くの飼い主が知らない効果的な予防法として、排尿後の陰部周りの清拭があります。特にメス犬では細菌感染を防ぐ効果が期待できます。

また、冬場の室温管理も重要で、寒すぎる環境では水分摂取量が減少し、結石形成のリスクが高まります。適度な室温(20-25℃)を保つことで、自然な水分摂取を促進できます。

定期的なマッサージや軽い運動により血液循環を改善し、腎機能の維持にも役立ちます。これらの日常的なケアが、愛犬の長期的な健康維持につながります。

犬のおしっこトラブルに関する詳細な情報はこちらをご参照ください

獣医師による犬のおしっこが出ない病気の詳細解説

日本小動物獣医師会による泌尿器疾患の診断指針

犬の尿失禁に関する国際的診断・治療指針(英語)