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犬おりものの原因と症状を見極める対処法

犬おりもの異常を見極める方法

犬おりものチェックポイント
👁️

色の確認

透明・白色は正常、黄色・緑色・赤色は注意が必要

👃

臭いの確認

無臭または軽い酸っぱい臭いは正常、腐敗臭は危険

💧

量と質感の確認

少量でさらさら感は正常、大量で粘り気が強いと異常

犬おりものの正常な状態とは

健康な雌犬のおりものは、子宮や膣からの分泌物と膣壁から剥がれた古い細胞が混ざったもので、体の自然な防御機能の一部です。正常なおりものは透明や薄い白色、場合によってはわずかに黄色味を帯びています。

正常なおりものの特徴は以下の通りです。

  • :透明または乳白色
  • 臭い:無臭またはわずかに酸っぱいような臭い
  • :少量
  • 質感:さらさらまたは軽い粘り気

発情期の雌犬では、初期に血が混じったおりものが出ることがありますが、これは自然な生理現象です。発情期が進むにつれて、血液から透明や白っぽい液体へと変化していきます。

犬おりもの異常のサインと危険な症状

異常なおりものには明確な特徴があり、飼い主が注意深く観察することで病気の早期発見につながります。

危険なおりものの特徴

  • 色の異常:黄色や緑色の膿状、血が大量に混じったもの
  • 臭いの異常:腐敗臭や強い悪臭
  • 量の異常:大量に分泌される、垂れ流し状態
  • 質感の異常:ドロッとした濃い粘り気、膿のような質感

特に注意すべき症状として、発情期以外で血が混じったおりものが見られる場合、膣や子宮の炎症、腫瘍、子宮蓄膿症などが疑われます。出血量が多い場合や頻繁に続く場合は緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診する必要があります。

犬おりものから考えられる主な病気

おりものの異常は様々な病気のサインとなります。主な疾患とその特徴を理解しておくことが大切です。

膣炎

膣の炎症により、粘り気の強いおりものや異臭を伴うおりものが見られます。初回発情前の幼犬では先天的な膣の奇形が原因となることがあり、成犬では大腸菌やヘルペスウイルスなどの感染が主な原因です。

子宮蓄膿症

避妊手術をしていない中年期以降の雌犬(5~7歳以上)に多く発生し、子宮に大腸菌などの細菌が感染して膿が溜まる病気です。陰部から悪臭のあるおりものや膿が排出され、水をたくさん飲む、食欲低下、嘔吐などの全身症状も現れます。

子宮や膣の腫瘍

高齢犬に多く発症し、血が混じったおりものが継続的に見られます。良性腫瘍であれば摘出手術で改善が期待できますが、悪性腫瘍の場合は進行すると予後が悪くなるため早期発見が重要です。

性ホルモンの異常

ホルモンバランスの乱れにより、発情期以外でもおりものの分泌が続くことがあります。長期間続くと子宮や卵巣の疾患リスクが高まる可能性があります。

動物病院での検査・診断の重要性について詳しく説明します。これらの病気の確定診断には、血液検査、尿検査、超音波検査、細菌培養検査などが必要となります。

犬おりもの日常観察のポイントと記録方法

愛犬のおりものの状態を把握するには、日常的な観察と記録が欠かせません。効果的な観察方法を身につけることで、異常の早期発見につなげることができます。

日常観察のコツ

  • トイレ後のチェック:排尿・排便後にお尻や陰部周りを確認
  • ペットシートの確認:付着したおりものの色や量を観察
  • 床や家具の確認:垂れ落ちたおりものがないかチェック
  • 愛犬の行動観察:陰部を気にして舐める頻度の変化

記録すべき内容

  • 日付と時刻
  • おりものの色(写真撮影も有効)
  • 臭いの有無と強さ
  • 量の目安
  • 質感の特徴
  • 愛犬の全身状態(食欲、元気さなど)

特に発情期の記録は重要で、正常な周期を把握しておくことで異常を見つけやすくなります。発情は通常6~12ヶ月周期で起こるため、前回の発情から何ヶ月経過しているかも記録しておきましょう。

犬おりもの異常時の応急処置とケア方法

異常なおりものを発見した場合の適切な対処法と、日頃から実践できるケア方法について解説します。

応急処置の手順

  1. 清潔な環境作り:陰部周辺を湿らせた柔らかいタオルやペット用ウェットティッシュで優しく清拭
  2. 観察と記録:おりものの特徴を詳細に記録し、可能であれば写真撮影
  3. 動物病院への連絡:症状を正確に伝えて受診の緊急度を相談
  4. 清潔保持:おむつやペットシーツを使用して衛生管理

日常的な予防ケア

  • 陰部の清潔管理:散歩やトイレ後の清拭習慣
  • 適切なトリミング:毛が長い犬種は陰部周辺の毛を短く整える
  • ストレス管理:規則正しい生活とストレス軽減
  • 定期健康チェック:獣医師による定期検診の受診

避妊手術を検討することも有効な予防法の一つです。子宮蓄膿症をはじめとする生殖器系の疾患リスクを大幅に減らすことができます。

緊急受診が必要な症状

  • 大量の出血を伴うおりもの
  • 強い腐敗臭
  • 食欲低下や元気消失を伴う場合
  • 発熱や嘔吐などの全身症状

これらの症状が見られた場合は、時間に関係なく動物病院への相談を強く推奨します。特に子宮蓄膿症は進行が早く、治療が遅れると致命的になる可能性があるため、早期の診断と治療が不可欠です。