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マルチーズ病気症状治療法予防対策完全

マルチーズ病気完全ガイド

マルチーズの主要な病気と対策
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心臓病対策

僧帽弁閉鎖不全症など心疾患の早期発見と管理

🦴

関節疾患予防

膝蓋骨脱臼などの骨格系トラブルの予防法

👁️

眼疾患ケア

流涙症や白内障などの目の病気の対処法

マルチーズ心臓病症状と治療法

マルチーズは他の犬種と比較して心臓疾患、特に僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすい犬種として知られています。この病気は心臓の左心房と左心室を仕切る弁に異常が生じ、血液の逆流が起こる深刻な疾患です。

僧帽弁閉鎖不全症の症状段階

初期症状では症状がほとんど現れず、軽度の疲れやすさや乾いた咳程度です。飼い主が気づきにくい段階で進行するため注意が必要です。

中期症状では以下のような変化が見られます。

  • 散歩中にすぐ疲れてしまう
  • 咳の頻度が増加
  • 寝ている時間が長くなる
  • 運動を嫌がるようになる

重篤な症状まで進行すると、舌の色が紫色になるチアノーゼ、肺水腫、失神などの命に関わる症状が現れます。

治療方法と費用

僧帽弁閉鎖不全症は完治させることができない疾患のため、投薬による内科治療が主体となります。血管拡張薬利尿剤、強心剤を使用して心臓への負担を軽減し、病気の進行を抑制します。

治療費は無治療で経過観察の場合、1回の検査代で1万円~2万円、1ヶ月分の内服代は1万円~3万円程度です。外科手術を検討する場合は循環器専門病院での治療となり、250万円ほどの高額な費用がかかる場合があります。

マルチーズは7~8割が発症するとされ、6~7歳頃から症状が見られ始め、10歳頃から発症率が急激に増加します。オスのピークは11歳、メスのピークは12歳ほどです。

心臓病の予防対策

心臓病そのものを予防することは困難ですが、早期発見により適切な管理が可能です。5歳以上のマルチーズには年1回の定期健診を強く推奨します。動物病院で心雑音を指摘された場合は、心臓の精密検査を受診することが重要です。

日常生活では適度な運動を継続し、肥満を防ぐことで心臓への負担を軽減できます。激しい運動は避け、散歩などの穏やかな運動を心がけましょう。

マルチーズ膝蓋骨脱臼原因と対処法

膝蓋骨脱臼(パテラ)は膝のお皿が正常な位置から横方向にずれてしまう病気で、マルチーズを含む小型犬に特に多く見られます。女の子の方が発症しやすく、発症率は男の子の約1.5倍です。

膝蓋骨脱臼の症状と進行段階

初期段階では痛みが発生しないため、脱臼に気づけないことが多々あります。症状が進行するにつれて以下のような変化が現れます:

  • 足を浮かせる頻度が増加
  • 立っているときに膝をガクガク震わせる
  • 遊んでいる最中に急にキャンキャン鳴いて痛がる
  • 腰をかがめ内股で歩くようになる

重症化すると骨の変形や関節炎を起こし、最終的には歩行困難になる場合もあります。早期の対処が極めて重要です。

治療方法と予防対策

軽度の場合は自然に元に戻ることもありますが、重度のものは外科手術が必要になります。手術費用は術前検査、入院、手術、術後検診を含めて20万円~40万円が相場です。

内科療法では定期的な通院による管理を行い、月2回の通院で1回あたり3,000円~10,000円程度、年間6万円~10万円程度の費用がかかります。

日常生活での予防策

  • 床にカーペットを敷いて滑りにくくする
  • 爪切りや足裏の毛のカットで滑り防止
  • 高いところからのジャンプを避ける
  • 家具の配置に注意して高い場所への上り下りを制限
  • 急な方向転換など膝に負担がかかる運動を避ける
  • 肥満にならないよう体重管理を徹底

先天的な原因による発症は防げませんが、日常生活の環境整備により発症リスクを大幅に減らすことが可能です。

マルチーズ流涙症対策と眼の健康管理

流涙症はマルチーズに非常によく見られる疾患で、涙が過剰に分泌されることで目頭が汚れ、眼の周りの被毛が茶色く変色する「涙やけ」が特徴的な症状です。

流涙症の原因と症状

主な原因

  • 涙小管(目と鼻をつなぐ管)の狭窄や閉塞
  • 先天的な涙道の構造異常
  • 角膜炎や結膜炎などの眼疾患
  • 眼周囲の筋肉異常
  • 鼻炎などの呼吸器疾患

症状の特徴

  • 常に涙が出ている状態
  • 目頭周辺の被毛の茶色い変色
  • 涙とともに出る目ヤニによる鼻の横の汚れ
  • 湿疹皮膚炎の併発

治療と日常ケア

治療方法では涙をこまめに拭き取り、まぶたを清潔に保つことが基本です。点眼薬による治療も効果的で、涙小管が詰まっている場合は管を患部に差し込んで洗浄する処置を行います。

日常のケア方法

  • 1日数回、清潔なガーゼやコットンで涙を優しく拭き取る
  • 目の周りの毛を短くカットして清潔を保つ
  • 専用のクリーナーで定期的に清拭
  • 刺激の少ない無添加のドッグフードに切り替え
  • アレルゲンとなる可能性のある食材を避ける

流涙症は完全に治癒することは困難ですが、適切なケアにより症状の改善と悪化防止が可能です。症状が改善しない場合は、根本的な原因の精査が必要になります。

マルチーズ環軸椎亜脱臼リスクと神経系疾患

環軸椎亜脱臼は首の骨の1番目(環椎)と2番目(軸椎)の関節が不安定になり、神経を圧迫する深刻な疾患です。マルチーズなどの小型犬に見られる病気で、生命に関わる危険性があります。

環軸椎亜脱臼の症状と危険性

初期症状

  • 首の痛みや違和感
  • ふらつきや歩行の不安定
  • 歩幅が小さくなる
  • 転倒しやすくなる

重篤な症状

  • 起き上がることができない
  • 四肢の麻痺
  • 呼吸困難
  • 最悪の場合は呼吸停止により死亡

先天性の場合は1歳以下で発症することが多く、外傷が原因の場合は年齢に関係なく発症する可能性があります。

治療方法と予防策

治療法は症状の程度により内科療法と外科療法に分かれます。

内科療法では月2回の通院で1回あたり3,000円~10,000円程度の治療費に加え、定期的なMRIやCT検査で5万円~10万円の費用がかかります。

外科療法では術前検査、入院、手術、術後検診を含めて50万円~80万円という高額な治療費が必要です。

予防対策

  • 交通事故の防止(リードの確実な装着)
  • 落下事故の防止(高い場所からの飛び降り禁止)
  • 他の犬との激しい遊びやけんかの回避
  • 首に負担をかける激しい運動の制限

先天性の場合は予防が困難ですが、外傷による発症は日常生活の注意により防ぐことができます。

マルチーズ遺伝的疾患と意外な健康リスク

マルチーズには一般的によく知られている疾患以外にも、注意すべき遺伝的疾患や意外な健康リスクが存在します。これらの疾患は早期発見と適切な管理により、愛犬の生活の質を大幅に改善できます。

進行性網膜萎縮症(PRA)

進行性網膜萎縮症は視力が徐々に低下し、最終的には失明に至る遺伝性眼疾患です。マルチーズの中には遺伝的にこの疾患にかかりやすい個体が存在します。

症状の進行

  • 夜間や暗い場所での視力低下(夜盲症)
  • 段差につまずきやすくなる
  • 明るい場所でも物にぶつかる
  • 瞳孔の反応が鈍くなる

現在のところ根本的な治療法はありませんが、早期発見により環境を整備し、犬の安全を確保することが重要です。

免疫介在性貧血

免疫システムが自分の赤血球を破壊してしまう深刻な血液疾患です。マルチーズに見られる遺伝的な疾患の一つです。

症状

  • 疲れやすさと運動を嫌がる
  • すぐに息切れする
  • 元気の消失
  • 多飲多尿
  • 食欲低下と嘔吐
  • 脈が速くなる

治療法では赤血球を破壊する免疫システムを抑えるため、ステロイドなどの免疫抑制剤を投与します。重症の場合は輸血が必要ですが、輸血により症状が悪化することもある複雑な疾患です。

グリコーゲン蓄積症

肝臓に貯蔵されるグリコーゲンを分解する酵素が欠損し、体の様々な部位に異常なグリコーゲンが蓄積する稀な遺伝病です。

症状

この疾患は非常に稀ですが、症状が現れた場合は速やかに専門的な検査が必要です。

水頭症のリスク

脳内に脳脊髄液が過剰に溜まる水頭症も、マルチーズに見られる疾患の一つです。

症状

  • ぼんやりしている時間が長い
  • 寝ている時間の異常な増加
  • 歩行異常や転倒
  • うまく立ち上がれない
  • 痴呆様症状

治療は脳脊髄液の量を減らす薬剤による内科治療と、脳に溜まった髄液を腹腔に流す外科手術があります。

意外な健康管理のポイント

遺伝子検査の活用:繁殖前の遺伝子検査により、遺伝的疾患のリスクを事前に把握することが可能です。信頼できるブリーダーから迎える際は、親犬の健康状態や遺伝子検査結果を確認しましょう。

定期的な血液検査:年1回の詳細な血液検査により、肝機能や腎機能、血糖値の異常を早期に発見できます。特に中高齢期以降は検査頻度を増やすことが推奨されます。

栄養管理の重要性:遺伝的疾患の中には栄養管理により症状の進行を遅らせられるものがあります。獣医師と相談し、個体に適した食事療法を実施することが重要です。

マルチーズの健康管理において、一般的によく知られた疾患だけでなく、これらの遺伝的疾患についても理解を深め、予防と早期発見に努めることが、愛犬の健康で長い生活を支える鍵となります。定期的な健康チェックと適切な生活環境の整備により、多くのリスクを軽減することが可能です。