PR

ウェストハイランドホワイトテリアのかかりやすい病気と寿命について

ウェストハイランドホワイトテリアのかかりやすい病気と寿命

ウェストハイランドホワイトテリアの健康管理のポイント

平均寿命12~14歳

小型犬の中でも比較的長生きする犬種で、適切な健康管理により健康寿命を延ばすことが可能

🏥

皮膚疾患に要注意

アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎など、皮膚トラブルが最も多い健康問題

🧬

遺伝性疾患への対策

レッグペルテス病や特発性肺線維症など、早期発見と適切な治療が重要

ウェストハイランドホワイトテリアの平均寿命と健康特性

ウェストハイランドホワイトテリアの平均寿命は12~14歳とされており、アニコムの「家庭どうぶつ白書2021」によると13.8歳という具体的なデータも報告されています。これは小型犬の中でも比較的長生きする部類に入り、人間年齢に換算すると64歳~72歳に相当します。

この犬種は元々スコットランドの猟犬として活躍していた歴史があり、筋肉質でしっかりとした体躯を持つため、基本的には健康で丈夫な犬種として知られています。しかし、遺伝的な要因による特定の疾患にかかりやすい傾向があるため、飼い主による適切な健康管理が重要となります。

興味深いことに、ギネスに登録された長寿犬の多くが狩猟犬や番犬など何らかの役目を持っていたという報告があり、ウェストハイランドホワイトテリアのような働く犬の血統を持つ犬種は、適切な運動と刺激を与えることで健康寿命を延ばすことができる可能性があります。

ウェストハイランドホワイトテリアの皮膚疾患と対策法

ウェストハイランドホワイトテリアが最もかかりやすい病気として、皮膚疾患が挙げられます。特に以下の皮膚トラブルに注意が必要です。

アトピー性皮膚炎 🔴

ほこりやダニなどのアレルゲンが原因で発症する皮膚炎で、1~3歳の若い時期に発症しやすいとされています。主な症状は皮膚の赤み、激しいかゆみ、脱毛などです。ノミや食事アレルギーによる発症も多く、外で遊ぶ機会の多いこの犬種では特に注意が必要です。

脂漏性皮膚炎 🔴

テリア系の犬種は脂質代謝が苦手な傾向があり、皮膚のベタつきや脂っぽいフケ、独特の嫌な匂いが特徴的です。定期的なシャンプーによる皮膚の清潔維持と、食事における脂質の見直しが予防につながります。

表皮形成異常(アルマジロ症候群) 🔴

皮膚のたるみや脱毛、色素沈着などが見られ、アルマジロのような外観となる遺伝性疾患です。別名「ウエスティ表皮形成異常」とも呼ばれ、この犬種特有の疾患として知られています。

予防対策として、腸内環境を健康に保つことがアレルギー予防に効果的であることが近年の研究で明らかになっており、プロバイオティクスを含む食事の摂取も推奨されています。

ウェストハイランドホワイトテリアの遺伝性疾患と早期発見

この犬種には遺伝的な要因による特定の疾患が存在し、早期発見と適切な治療が重要です。

レッグペルテス病(大腿骨頭壊死症 🦴

太ももの骨と骨盤をつなぐ部分への血液供給が不十分になることで骨が壊死する疾患です。3~4カ月から1歳頃の若い時期に発症しやすく、足を引きずったり痛そうにしている様子が見られたら、すぐに動物病院を受診する必要があります。

頭蓋下顎骨症 🦴

下あごが腫れて痛みや発熱が見られる疾患で、生後4~7か月頃に発症し、11~13か月齢で自然に落ち着くことが多いとされています。痛みから食欲が低下し、栄養失調になる可能性があるため注意が必要です。

膝蓋骨脱臼(パテラ) 🦴

大腿骨の溝にある膝蓋骨が内側や外側にずれてしまう疾患で、小型犬に多く見られます。先天的に溝が浅い場合や、膝蓋骨を支える靭帯が弱い場合に発症しやすく、足を上げて歩いたり引きずったりする症状が現れます。

これらの疾患は基本的に予防が困難な遺伝性のものが多いため、定期的な健康チェックと早期発見が何より重要となります。

ウェストハイランドホワイトテリアの特発性肺線維症という稀少疾患

あまり知られていない疾患として、ウェストハイランドホワイトテリアが好発犬種とされる「特発性肺線維症(CIPF)」があります。これは主に中~高齢のウェスティが罹患する原因不明の慢性進行性の間質性肺疾患で、人間の特発性肺線維症と類似した病態を示します。

症状と診断 🫁

発咳、苦しそうな呼吸、興奮時のチアノーゼなどが主な症状として現れます。診断にはCT検査が有用で、すりガラス陰影やモザイク状の肺濃度上昇、線状影や網状影などの特徴的な所見が認められます。

併発疾患への注意 🫁

CIPFを患うウェスティの20~60%で肺高血圧症を併発することが報告されており、心臓への負担も考慮した総合的な治療が必要となります。

この疾患は比較的新しく認識された疾患であり、一般的な健康情報では触れられることが少ないため、中高齢のウェスティで呼吸器症状が見られた場合は、専門的な検査を受けることが重要です。

近年では麻酔リスクを避けるための無麻酔CT検査も実施されており、重篤な低酸素血症を伴う症例でも安全に診断を行うことが可能になっています。

ウェストハイランドホワイトテリアの健康寿命を延ばす生活管理

ウェストハイランドホワイトテリアの健康寿命を延ばすためには、この犬種の特性を理解した適切な生活管理が不可欠です。

運動管理 🏃‍♂️

元猟犬の血統を持つため、1日2回30分程度の散歩が推奨されています。動くものを追いかけることが得意なため、フリスビーなどの運動が特に適しています。適度な運動は肥満防止だけでなく、ストレス軽減にも効果的です。

体重管理 ⚖️

適正体重は7~9kgとされており、室内飼いによる運動不足や飼い主の甘やかしによる肥満が増加傾向にあります。与えているフードの表示を参考に、個体の状態に合わせた食事量の調整が必要です。

定期健診の重要性 🏥

遺伝性疾患の多くは予防が困難なため、定期的な健康チェックによる早期発見が最も重要な対策となります。特に皮膚の状態、歩行の様子、呼吸の状態などを日常的に観察し、変化があれば速やかに動物病院を受診することが推奨されます。

環境管理 🏠

皮膚疾患の予防のため、衛生的な環境の維持が重要です。特に暖かい季節にはノミ・ダニ駆除の駆虫薬を忘れずに使用し、アレルギー対策として室内の清掃も徹底する必要があります。

これらの管理を適切に行うことで、平均寿命を上回る長寿を実現することも可能であり、飼い主との深い絆が健康寿命の延伸に寄与するという報告もあります。