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ピンシェルのかかりやすい病気と寿命の完全ガイド

ピンシェルのかかりやすい病気と寿命

ピンシェルの健康管理ポイント
🐕

平均寿命12~16歳

小型犬として比較的長寿な犬種で、適切なケアで寿命を延ばすことが可能

🦴

関節疾患に注意

膝蓋骨脱臼やレッグペルテス病など、関節の病気にかかりやすい

🌡️

皮膚病のリスク

アトピー性皮膚炎や膿皮症など、皮膚トラブルが多い犬種

ピンシェルの平均寿命と長生きの秘訣

ミニチュアピンシャーの平均寿命は12~16歳とされており、小型犬の中では比較的長寿な部類に入ります。実際に17歳以上生きた例もありますが、20歳を超えることは非常に稀です。

寿命に影響を与える主な要因は以下の通りです。

  • 遺伝的要因:親犬の健康状態や病気のリスク
  • 生活環境:ストレスの少ない快適な環境
  • 食事と運動:バランスの取れた食事と適度な運動
  • 病気予防:定期的な健康診断や予防接種の徹底
  • 精神的な安定:適度な刺激による脳の活性化

ミニチュアピンシャーは非常に賢い犬種のため、退屈な時間が続くと問題行動を起こすことがあります。知育玩具やコミュニケーションを増やし、日常的に脳を刺激することが重要です。

愛犬の健康状態を把握するために、年に2回以上の健康診断を受けることをおすすめします。特に高齢期には病気の早期発見が重要になります。

ピンシェルの膝蓋骨脱臼の症状と対策

膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝のお皿が本来あるべき位置から横方向にずれてしまう病気で、ミニチュアピンシャーに特に多く見られます。

症状の特徴

初期段階では痛みが発生しないこともあるため、脱臼に気付けないことが多々あります。症状が進行すると以下のような変化が現れます。

  • 足を浮かせる頻度が増加
  • 立っているときに膝をガクガク震わせる
  • 遊んでいる最中に急にキャンキャン鳴いて痛がる
  • 歩き方に異常が出る

脱臼は膝関節全体にダメージを与え、骨へのダメージが蓄積すると骨の変形を、関節へのダメージが蓄積すると関節炎を起こし、最終的には歩けなくなることもあります。

予防方法

先天的な原因で発症するのは防げませんが、日常生活の環境を整えることでリスクを大幅に減らすことが可能です。

  • 床にカーペットを敷いて滑らないようにする
  • 爪切りや足裏の毛のカットで滑り防止
  • 高いところからのジャンプを避ける
  • 家具の配置に注意して高い場所に上らせない
  • 抱っこ時の落下防止
  • 急な方向転換など膝に負担がかかる運動を避ける
  • 肥満にならないよう体重管理

治療費の目安

内科療法の場合、通院1回あたり3,000円~10,000円程度で、年間6万円~10万円程度かかります。外科療法が必要な場合は、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~40万円程度の費用が発生します。

ピンシェルの皮膚病の種類と治療法

ミニチュアピンシャーは被毛が短くシングルコートのため、皮膚がとてもデリケートで皮膚疾患になりやすい犬種です。特に注意すべき皮膚病について詳しく解説します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の一種で、環境中のアレルゲン(ハウスダスト、花粉、カビなど)に反応して強いかゆみや赤い炎症が起こります。

症状は主に以下の部位に現れます。

  • 耳や脇、股、足先
  • 口や目の周り
  • 下腹部や内股

これらの部位を頻繁に「舐める」「噛む」「ひっかく」「擦りつける」行動が見られたら、アトピー性皮膚炎を疑いましょう。

膿皮症

膿皮症は、皮膚にいる常在菌の一つ「ブドウ球菌」が異常に増殖することで起こる皮膚病です。皮膚の抵抗力が下がったときに発症し、どの犬種でも起こりますが、ミニチュアピンシャーは特に注意が必要です。

症状の進行。

  1. 皮膚が部分的に赤くなる
  2. ニキビのような発疹ができる
  3. 中心に膿を持つ発疹が形成される
  4. かゆみや脱毛を伴う

治療費と予防

膿皮症の治療費は、症状が軽い場合で治療期間約1か月、週1回の通院として1回あたり2,000円~6,000円程度です。完治まで12,000円~20,000円程度かかり、薬用シャンプーは1本1,500円~3,000円程度です。

予防には以下が重要です。

  • 良質なドッグフードの適量給与
  • 快適な温度・湿度管理
  • 定期的なシャンプー
  • ストレス軽減

ピンシェルのレッグペルテス病の早期発見

レッグペルテス病(大腿骨頭壊死症)は、太ももの骨と骨盤を連結している大腿骨頭への血行が悪くなり、大腿骨の骨頭が壊死してしまう病気です。

発症の特徴

この病気は主に以下の特徴があります。

  • 3~13ヵ月齢の成長期に多く発症
  • 9割近くで片足のみに発生
  • 小型犬に多く、大型犬での発症は稀

症状の進行パターン

股関節の痛みがあるため、歩き方に以下のような異常が現れます。

  • 歩き方がおかしい
  • 足をかばうように歩く
  • 体重が乗らないよう足先だけちょこんと地面につける
  • 足を上げたまま3本足で歩く
  • いつも同じ方の足をあげている

症状が進行すると、少しずつ足の着きが弱くなり、後ろ足を伸ばした時に嫌がったり、さらに悪化すると完全に後ろ足が着かなくなります。

治療と費用

発症の原因がはっきりわかっていないため、明確な予防法はありません。1歳を迎えるまでに発症することが多いので、常日頃から歩き方を観察することが重要です。

内科的治療では完治が困難なため、ほとんどの場合で外科的治療が必要になります。通常2~3か月様子を見て改善がみられない場合は早急に外科手術を行い、術前検査、入院、手術、術後検診などをあわせて20万円~30万円の費用がかかります。

ピンシェルの意外な健康リスクと対策

一般的に知られている病気以外にも、ミニチュアピンシャーには意外な健康リスクが存在します。

尿路結石症のリスク

ミニチュアピンシャーは尿路結石症になりやすい遺伝的素因があります。結石は腎臓から尿道までの尿路のどこかにでき、種類も多様です。

  • ストルバイト
  • シュウ酸塩カルシウム
  • 尿酸
  • シスチン

症状は結石の位置によって異なりますが、以下のような変化に注意が必要です。

  • 血尿
  • 頻尿
  • 腹部の不快感
  • 粗相
  • 尿をする仕草を見せても尿が出ない

特に尿が出ていない場合は、結石が尿道に詰まって命に関わる状態になる可能性があるため、緊急処置が必要です。

骨折しやすい体質

ミニチュアピンシャーは活発で高くジャンプすることが多く、骨折しやすい傾向があります。特に以下の点に注意が必要です。

  • 床が滑りやすくないかチェック
  • 高い場所からの飛び降り防止
  • 抱っこ時の落下防止
  • 適度な運動による骨密度維持

ストレス性の問題行動

ミニチュアピンシャーは非常に賢く活発な犬種のため、十分な刺激がないとストレスが溜まりやすく、以下のような問題行動を起こすことがあります。

これらを防ぐためには、毎日の散歩に加えて知育玩具やトレーニングを取り入れ、精神的な刺激を与えることが重要です。

高齢期の特別なケア

ミニチュアピンシャーは12歳頃からシニア期に入ります。この時期には以下のような変化に注意が必要です。

  • 視力や聴力の低下
  • 関節の可動域制限
  • 免疫力の低下
  • 認知機能の変化

定期的な健康診断の頻度を増やし、食事内容の見直しや運動量の調整を行うことで、快適なシニアライフをサポートできます。

ミニチュアピンシャーの健康管理には、日頃の観察と予防的なケアが最も重要です。愛犬の小さな変化にも気づけるよう、毎日のスキンシップを大切にし、異常を感じたら早めに獣医師に相談することをおすすめします。